
Suzuki
@finto__
記録:2025年3月〜
- 2025年3月8日
スメラミシング小川哲読み終わった★★★★★ 「『世界には理由がある。それこそがマスタープラン』スメラミシングがよく使う常套句のようなものだったが、その言葉が多くの人々を惹きつけているのではないかと私は考えていた。地球が誕生したのも人類が誕生したのも偶然だ。何億年、何十億年という時間をかけて、さまざまな偶然の連鎖の果てに、私たち人類は存在している。だが、私たちはその事実に耐えられない。だからこそ神を創造した。自分が生きていることは必然なのだと考えようとした。私たちは幸福を求めているのではなく、理由を求めている。真実を求めているのではなく、理不尽で暗く、生きる価値のない現実を受け入れるための物語を求めている。昔からずっとそうだった。」(「スメラミシング」p146-47) - 2025年3月8日
私の小説町屋良平読み終わった★★★★★ 「私はだれか他者に正直になるということができない人間だ。つまらない私の異常さをおもしろくすることはできない。私のつまらないインモラル、私のつまらない反社会性、私のつまらない性癖を。そもそも私たちは創作しているというその時点で加害的で、被害者の顔をすることはむずかしく、フィクションの登場人物にそうさせるように、自分やだれかの人生をおもしろいとおもい、そうなるように寄せて考えること自体危うい、ますます危ういものとなってゆく。人間という生き物の根元的な暴力として「おもしろい」とはなにか?ということがつねに問われているのは、どのような時代においても変わらずまだ見逃されているにすぎない。加害的立場におりながら、加害側のなかで被害者の顔をするためになんだってする、それが私の考える父権的ヒロイズムだ。たとえば我に大義ありと他者の生を矮小化して奪う、身体の芯までフィクションにひたされフィクションにふやけたような私のする、土下座のごときパフォーマティブで切腹めいた自傷的創作がそれである。」(「私の推敲」p87) - 2025年3月7日
メメントラブドール市街地ギャオ読み終わった★★★★☆ 「いつだって自分を含めた誰かを無鉄砲に煽って生きている。そうしないと立っていられない場所にいるのだから仕方ない、という開き直りはどれくらいの正当性をもって響くのだろう。」p99
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