
tomosada kota
@tadanoomosa
2026年10月7日
日本人の幸せ ウェルビーイングの国際比較
内田由紀子
読み終わった
幸福度に関する従来の測定尺度が、個人の感情や自己実現、目標志向性を中心に設計されていたのに対して、著者は共同研究者とともに「他者との調和や周囲との関係性」に重きをおく新しい測定尺度を作成した。
すると、従来の尺度では幸福度が低いとされてきた日本や韓国で機能しただけでなく、広く様々な文化に通用する尺度になった。
その後、世界的な指標の1つである世界幸福度レポートの分析方法でも同様の考え方が取り入れられるようになったという。
心理学はこういう仕事ができる学問なのか! と驚いた。
正直はじめは「日本人の幸せ」という書名に警戒感を持っていたのだけれど、測り方の見直しの話なのだった。
その先も面白い。
個人の幸福度にとどまらず、「場」のウェルビーイングを測定したり、場の状態が良くなるにはどうすればよいか、というテーマに広がっていく。
具体的な対象となる「場」は、地域社会、職場、学校教育。
測定・分析プロセスは、新書なのであまり書かれていないけれど、「場」の幸福感を高める鍵がどこにあるのか、丁寧に整理されている(連携を支える「つなぎ手」の存在が重視されていると思う)。
「場」なら、いろんなレベルで考えられるから、活用方法が広がる。
家庭とか、サークルとか。自分でも考えてみたくなる。
読み進めていくうちに、視界がどんどんクリアになっていく一冊だった。


