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@hachihot
2026年10月11日
金子さんの戦争
熊谷伸一郎
読み終わった
日本の戦争加害について、金子安次さんという方の生い立ちから中国での戦闘行為、民間人の虐殺、日本の敗戦による、シベリア抑留、戦犯として中国で過ごした日々、日本へ帰国してから加害証言することに至った人生をご本人の証言を元に丁寧に追った一冊。
ネルソンさんにおいての、ベトナムでのある啓示的な事件に匹敵する安次さんの、中国のある村での事件は、あまりにも酷く衝撃的で、読後ずっとしばらく囚われ、言葉にできない感情を呼び起こされてしまう。
こんなことを起こしてしまう、戦争を深く憎む。
以下は自分のために、覚えておきたい安次さんの証言。
P75
最初は人を殺すことなんて嫌なんだけどな、それが戦場を経験していくと、だんだん人間を殺すことなんてなんともなくなってくるんだよ。(中略)しまいには人間を殺すのが面白くなってくるんだよ。だから、いろんな殺し方をする。拷問して殺す、女性を辱めて殺す・・・。
→ネルソンさんあなたは人を殺しましたか、だ、まさに。
P85
女子どもだからって殺さないって考えは日本軍にはないんだよ。(中略)女は子どもを産むでしょう。子どもは大きくなれば日本軍に敵対するようになる。だから女も子どもも殺してしまえってよく言われたね。
P89
すべての家を焼かれ、住民を殺された村は、後日、日本軍によって土塀までも倒されて整地さて、ついに更地にされてしまった。
→イスラエルのパレスチナ人への虐殺で実施されている。
P191
シベリア抑留5年、戦犯となり6年を過ごした後に中国政府により起訴免除、即時釈放という寛大な処遇を受け日本に帰国を果たした元戦犯。
帰国にあたって戦犯たちの出した 祖国の皆さまへと題する手書きの声明が残されており、その一部より
引用
戦争はそれによって利することのできるごく一部の人を除いたほか、私達自身にとっても、如何なる人々にとっても、また、祖国日本にとっても全く必要のないものでありました。(中略)
身をもって誤りを知った以上、どうして再び身を誤りに投ずることができるでしょう!
私達は戦争に絶対反対します。そして、再び戦争へと人々を追いやる軍国主義に絶対反対します。
私達の願いは、私達が体験した誤った前半生を全ての人々の教訓として、人々が再び私達の歩んだ暗黒と罪悪の道を再び踏まないことであり、(中略)隣国である中国やその他の国々と深い友好を保ち、平和に共存することであり、(中略)すべての人々が睦まじく平和で幸福な生活が出来ることであります。
P212
日本軍により慰安婦とされた中国人女性の証言集会での安次さん、加害の証言の最後に
被害者の方を目の前にして、こういう証言をするのはまことに心苦しい。しかしながら、戦争の罪悪はどうしても暴露しなければならないし、これからの若い人たちに、私たちの踏んだ道を絶対に踏ませてはならないというのが私たちの信念です。
安次さんが証言し続けることで、ある元慰安婦の女性はこう語ったという
「これで私は日本兵を許すことができた。やっと自分の人生を生きられる」
この言葉をうけ、著者は裁きがあって和解が可能になる、ということに気がつく。
P228
加害者が加害を認めて謝罪をするということは、被害者の人間としての尊厳を回復する営みであり、加害者の失われていた人間性を回復する営みであるということを。






