
かく
@kakukaku_san
2026年10月18日

オムニセクシュアル
ジェフ・ライマン,
中村融,
古沢嘉通,
鯨井久志
読み終わった
「わたし」もしくは「わたしという体」と「世界」を描くためのSFというか、
そもそも生物の「体」そのものを定義する輪郭もどろどろに溶けていって「世界」と一体化してしまうような、
あるいはどろどろの何かから別の何かへの骨ができ、肉がついていき……というようなイメージが本を読んでいる間からずっと頭の中を流れている
あとがきの「(『オムニセクシュアル』収録作品の多くは)中心と周縁の境界線を問い直している」という言葉の通り、中心からは外れている人々、けれど確かな顔と声と意思をもつ人々の声を聞き続け拾い続ける著者の作品郡=声は鮮烈で、
時に鮮烈すぎる、うっすら嫌悪感すら感じてしまうほどなのは「中心」が周縁を知らなかったから、もしくは知りつつも目を逸らし続けていたからではないだろうか
時にグロテスクながらも温かく希望があって、輪郭を失ってどろどろかもしれないけれどその中には確かに輝くものがあって、
今まで取りこぼされてきた周縁の声たちが(翻訳によって)新たな声を持ったようにも思えてくる
上手くまとまらない!
SNSを「中心」に差別的・暴力的な言葉が日常的に飛び交い、もはやそれ自体を暴力だと認識していないことすら起こりうる今の社会に、周縁の声を「中心」に届ける意味は大いにあるのではないでしょうか
この『オムニセクシュアル』を1作目とする〈オムニフィクション〉シリーズの続刊も楽しみです