かねだ ひろたか "魔法の石板" 2026年10月18日

魔法の石板
魔法の石板
堀江敏幸
「もののはずみ」も買ってしまったし、そろそろ読み終えなくてはというところで読了。 当たり前のようにジョルジュ・ペロスの老いた姿を楽しみに読み進めていたが、老齢に差し掛かる前に病で早々と去っていき、茫然。 まだページものすごい残っているのに! 原書版のラストはペロスの聖地であるドゥアルヌネを訪れるかどうかを繰り返し問い返している。魔法の石板に書き、迷い、消す。繰り返し。 同時に冒頭の美しい旅の光景は、限りなく聖地に近づいていたと気付かされる。 愚かさにも近い不器用な若き日のペロスとグルニエの交流にはエロスが溢れていた。 手紙から伝わる強烈な激情、駆け引き、試し、そしてその果てにあるもの。 金儲けに背を向け続け苦しい生活家族はいるけれども孤独の淵に身を置き、精神性への忠誠を愚直に守り続けた作家と、それに深く共鳴したもう1人の作家。 とても美しい読みものだった。
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