ぼぺにゃん "ビルマの鳥の木 (新潮文庫 ..." 2026年10月20日

ビルマの鳥の木 (新潮文庫 た 62-1)
友達とのおしゃべりで能の話が出て、このエッセイ集をまた読み返したくなり能関連のところだけ拾い読み。こんな感じでこれまで何十回読み返したかわからない。 筆者はのちに著名な免疫学者となるけれど、能との出会いはまだ東京に戦争の焼け跡が目立つ予備校生のとき。上京時にたまたま能の上演を目にする。 「舞台の橋がかりを、朱の大口袴をはいて、髪を乱した若い狂女が、片手に笹をかざして歩いている。その姿を、今でもありありと思い出すことができる」 観世流の能楽師である橋岡久馬との出会いは『高野物狂』 「憑かれたようにして、洗礼者ヨハネのように荒野に何ものかを追い求める男、その不条理な情熱が、私の心臓にグサリときた」 著者は「知らぬ間に…能という日本中世の毒にどっぷりと浸」り、学生時代は能の上演に足しげく通い、大倉流で大鼓を習い、どういう曲に使うのか見当もつかない風変わりな能面を骨董店で手に入れる。この能面は、著者が還暦近くなって書く脳死と臓器移植をテーマにした新作能『無明の井』の舞台で、橋岡久馬により実際に使われることになる。
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