
re
@reforte_te
2026年10月22日

酒井力詩集
酒井力
読み終わった
図書館をブラウジングしている際に気になって手に取った詩集。硬質で清潔な雰囲気の文体に惹かれて、借りて読んでみたところ、酒井力が信濃にゆかりのある詩人だと知って、導かれるような縁を感じた。私は軽井沢高原をはじめ、信濃の地を愛し、あるいはそこに生きた人々の詩や文学が好きだ。
特に、詩集『虚無の空域』の「季節」、「葬列」、詩集『白い記憶』の「肖像画」、「離愁の朝(中原忍冬墓前に献ぐ)」」が印象に残った。
詩人の詠む「さみしい」という感情は、それぞれ味わいは異なれど美しさを湛えていて良い。
さみしさがさみしさを離れ
遠く野辺の花路をさまよい
あるいは山嶺に憩う雲の影になり
時には落葉松の無数の針の
降りしきる音になり
たとえ冬山の雪渓に光る
目映い沈黙になっても
さみしさは
決まっていつも
さみしさに帰っていく 「肖像画」 p.107-108