こは "きよくしぶとくやかましく" 2026年10月24日

こは
@coh627
2026年10月24日
きよくしぶとくやかましく
いわゆる田舎の町を舞台にした連作短編集です。 婦人会のひとりの家に死体があるらしい、という話から始まり、青年団の慰安旅行に訳あって辿り着けない男性たちの珍道中、毎年行われるお祭りなど、町内会のドタバタが昔話のような空気感でとってもおもしろい。 私は「三匹のおおかみ」が一番好きでした。青年団からちょっとはみ出した三人が描かれているのですが、たまたま一緒にいるだけの時間を過ごしている雰囲気がなんだか良かった。 男性の集団で生きる男性の生きづらさみたいなものが描かれているのは新鮮だなと思いました。ひとりひとりを見てみるとそれぞれ違っていて、話してみると強い弱いの競い合いだけじゃない関係性が築けるのかもしれない、そんな希望が少しだけ見えた気がします。 女性に対する差別的な発言や長くついている古い風習も登場し、読んでいて心がざらつく瞬間もありました。でも疑問を持つ人がいたり、風習がなんだと開き直る人が現れたりして、少しずつ良い方へ向かっていくのもすごく感じられて、読み終えた今とても明るく穏やかな気持ちです。
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