irgendwohin
@irgendwohin
2026年10月29日

故郷 (岩波文庫 赤 714-1)
パヴェーゼ
読み終わった
ヴィットリーニ『シチリアでの会話』とパヴェーゼ『故郷』。ムッソリーニ政権下のイタリアで、抵抗の文学として生まれたネオレアリズモの、原典と言われる2冊をこれで読了。
閉鎖的な田舎の農村を舞台に、個人と集団の複雑に絡み合った暴力性が淡々と描かれる。起きてしまう悲惨な事柄は、作中で紐解かれることも解釈されることもなく、何もかもを見通したような計算された筆致には、逃げ場のないやり切れなさをいっそう感じさせられる。
でも、物語自体の中には希望も救いもないけれど、あのファシズムの時代に、卑劣で悲惨な暴力とその受容とをありのままに描くことは、希望や救いを求める行為でもあったし、告発でもあったんだろう。
とはいえ、パヴェーゼはやっぱ辛いよなー。



