irgendwohin
@irgendwohin
- 2026年10月29日
- 2026年10月29日
故郷 (岩波文庫 赤 714-1)パヴェーゼ読み終わったヴィットリーニ『シチリアでの会話』とパヴェーゼ『故郷』。ムッソリーニ政権下のイタリアで、抵抗の文学として生まれたネオレアリズモの、原典と言われる2冊をこれで読了。 閉鎖的な田舎の農村を舞台に、個人と集団の複雑に絡み合った暴力性が淡々と描かれる。起きてしまう悲惨な事柄は、作中で紐解かれることも解釈されることもなく、何もかもを見通したような計算された筆致には、逃げ場のないやり切れなさをいっそう感じさせられる。 でも、物語自体の中には希望も救いもないけれど、あのファシズムの時代に、卑劣で悲惨な暴力とその受容とをありのままに描くことは、希望や救いを求める行為でもあったし、告発でもあったんだろう。 とはいえ、パヴェーゼはやっぱ辛いよなー。 - 2026年10月27日
故郷 (岩波文庫 赤 714-1)パヴェーゼ読み始めた - 2026年10月24日
島とクジラと女をめぐる断片アントニオ・タブッキ,須賀敦子読み終わった - 2026年10月23日
島とクジラと女をめぐる断片アントニオ・タブッキ,須賀敦子読み始めた - 2026年10月22日
20世紀ラテンアメリカ短篇選野谷文昭読み終わったとても面白かった。 さまざまな読後感を残す短篇集を読み終えて、まずそもそも「マジックリアリズム」という言い方はどうなんだろうと考えたり。作り手自身が意図的(あるいは戦略的)に使う側面もあるけど、何もかも引っくるめて「魔術的」と受け止めることの暴力性はあるんじゃないか。一時期そう言ってラテンアメリカ文学がもてはやされたことそれ自体が帝国主義的な暴力性を象徴的に表してると思えば、その背景込みで歴史を映す言葉なのかもしれないけど。 その意味では、冒頭に集められた、反植民地主義的な背景を持つ作品群は相当パンチが効いている。 女性作家の、計算されてるけど自由で、ちょっと挑戦的な筆致はどれも面白かった。イザベル・アジェンデの「ワリマイ」は、それを女性が描くのかという衝撃が凄い。 短篇集全体としても、そこに女性視点の作品を入れたことで、男性作家が描くラテンアメリカ的マッチョイズム(というのも雑な引っくるめなのはさておき)が、より立体的に見えてくるのは面白い。なんか『百年の孤独』も今読み直したら初読とは違う印象を持つのかもと思わされる。 『精霊の家』今度読もう。 - 2026年10月17日
20世紀ラテンアメリカ短篇選野谷文昭冒頭、オクタビオ・パス『青い花束』は、トニ・モリスン『青い眼がほしい』を思い起こさせる。前者1949年、後者1970年の作で、トニ・モリスンはパスを読んでいたかなと思ったり。 - 2026年10月17日
かみあわないノーマアン・カーソン,Anne Carson気になる - 2026年10月16日
20世紀ラテンアメリカ短篇選野谷文昭読み始めた - 2026年10月16日
祭の夜パヴェーゼ読み終わった人生の、そして社会の、絶望的などうしようもなさが、美しく繊細な筆致で描写されていることで余計に胸を塞ぐ。冷静でどこか彼方から見ているような視点はいかにもネオレアリズモだけど、実際にはパヴェーゼ自身もまた結局自死を選ぶほどに切実な痛みを抱えていたことを思うと、なんだかやりきれない。 さらに言えば、ナタリア・ギンズブルグや須賀敦子が友人パヴェーゼを思い起こして書いた文章を先に読んでいたせいか、短編のどれもが自分の知人の遺稿のように思えてやけに辛かった。(感情移入しすぎ!) とはいえ、不意に失った友人への哀惜と優しい愛情のこめられた文章を知った上で、当のパヴェーゼを読みだして良かったとは思う。少なくとも、彼にも温かい交友関係はあったんだよなーと。 - 2026年10月9日
祭の夜パヴェーゼ読み始めた - 2026年10月9日
ボルヘスの「神曲」講義ホルヘ・ルイス・ボルヘス,Jorge Luis Borges,竹村文彦読み終わったボルヘスは、本作以外でも自著のあちこちで『神曲』がいかに至高の作品であるかを語っているけど、ではダンテが唯一無二かというと、そうは言わないのがいかにもボルヘスらしい。例えばダンテより600年ほど前のイギリスで(ベーダ『イギリス教会史』)、100年ほど前のペルシアで(アッタール『鳥の言葉』)、神曲で描写された目も眩む幻想的な地獄、煉獄、天国のイメージの一部は既に書物となって世に出ているという。 p.85「『神曲』のような偉大な書物は、ある一人の個人の孤立した、偶発的な気まぐれではない。多くの人々、多くの世代がこの書に向かっていたのだ。その先駆者を調べることは、法学者か警官に任せておけばよいような惨めな仕事に陥ることではない。それは人間精神の運動を、試行錯誤を、冒険を、直覚を、予感を探ることなのだ」 ちょっと法学者と警官に失礼すぎるけど笑、これこそボルヘスの宇宙観。世界はたった一人の著者によって書かれた物語だともどこかに書いてたな。言葉が現実を映すことの不可能性と、だからこそ時空を超えて無限の広がりを持つという神秘性を、同時に、矛盾などないかの如く語る。壮大なハッタリをかましてくる魔術師か詐欺師のようなボルヘス、やっぱりすごい。 - 2026年10月9日
- 2026年10月9日
パムクの文学講義オルハン・パムク,山崎暁子これもノートン詩学講義だったのか。ハーバード大で著名な作家や音楽家などを招いて毎年開催している由緒ある連続講演で、ボルヘス、カルヴィーノ 、エーコのは書籍化されてるのを既に読み、どれも難解ながらも時間をかけてじっくり解読する面白さに感動しつつ、こんなのを話すスピードで一聴し理解できるハーバードの学生ヤバいなと思った。 パムクは「雪」よりも「私の名は赤」が好き。 - 2026年10月9日
- 2026年10月9日
パムクの文学講義オルハン・パムク,山崎暁子気になる - 2026年10月6日
シチリアでの会話ヴィットリーニ,鷲平京子ムッソリーニ政権下での反ファシズム運動の精神的支柱となった作品、というので興味を持ったものの、暗喩に満ちた寓話的な表現がなかなか読み取れず、先に解説から読み始めたら、その100ページを超える訳者による解説がめちゃくちゃ面白く刺激的。スペイン内戦時の抵抗運動(ゲルニカのあれ)が、イタリアでなかなか力を持てないでいた反ファシズム運動に火をつけたということなんだけど、そんなことは考えたことがなくびっくり。そもそも作者ヴィットリーニは、元はファシズム擁護派、というより積極的にファシズムを信奉し、ファシズム機関誌に執筆していた人。その彼がスペイン内戦を契機に、ファシズム政権の欺瞞と暴力性に気付き、抵抗運度に身を投じ、反ファシズムを宣言し同志を鼓舞する目的で書いたのが「シチリアでの会話」とのこと。 当時イタリアの反ファシズム地下活動に関わった多くの人に読まれ、「研ぎ屋」などの登場人物名を通名として使っていた若者も複数いたとか。 暗喩ばかりなのは検閲の目をかいくぐるためだけど、当時のイタリア人たちはここから作者の意図を正確に読み取っていたことにも驚き。なんという読解力の高さ! 解説を先に読むことをお勧めします。黙示録的な本書が指し示すものは、どのようにも取れるだけに、現代日本社会への警告としても意義深いと思います。 一つだけ不満を言えば女性描写かな。黙示録の体裁なので致し方なしとも言えるけど、同時代で必ず引き合いに出るパヴェーゼが「美しい夏」で見せた眩しいくらいの表現を思うと残念。 - 2026年10月6日
社会主義下の人間の魂オスカー・ワイルド,町本亮大気になる - 2026年10月6日
ボルヘスの「神曲」講義ホルヘ・ルイス・ボルヘス,Jorge Luis Borges,竹村文彦読み始めた - 2026年10月6日
ボルヘスの「神曲」講義ホルヘ・ルイス・ボルヘス,Jorge Luis Borges,竹村文彦
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