
ヴァイオレット
@violet5109
2026年10月29日
おくのほそ道(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
松尾芭蕉,
角川書店,
谷口広樹
読み終わった
📚「おくのほそ道」ビギナーズ・クラシックス
元禄二年の春、江戸の庵を人に譲った松尾芭蕉は、弟子の曾良を伴い、みちのくへと旅立つ。千住から北へ、日光、平泉、象潟、そして大垣まで。五か月、およそ六百里の道のりを、俳句と簡潔な文章でたどる紀行文だ。月日は永遠の旅人という冒頭の一節から、すでに旅の覚悟が伝わってくる。
心に残ったのは、平泉で藤原三代の栄華の跡を前に、笠を敷いて時を忘れて涙を落とす場面だ。夏草や兵どもが夢の跡という一句が、ほんの数行の文章に支えられて、千年近い時間を一気に呼び起こす。現代語訳と解説が丁寧なので、古文に自信がなくても、芭蕉と同じ景色の前に立っているような気持ちになれた。
古典は難しそうと敬遠してきた方や、旅の本が好きな方におすすめ。いつかみちのくを歩いてみたい、そんな夢を持つ方の最初の一冊にもなるだろう。秋の夜に、旅支度の気分で。
#読了 #おくのほそ道 #松尾芭蕉 #ビギナーズクラシックス