
ななこ
@naco__1234
2026年10月21日
希望の子
一穂ミチ
読み終わった
大好きな一穂ミチさんの新刊……! と楽しみにして本屋さんへ走り、本棚に飾り、休みの日に一気読みしました。
一穂ミチさんのお話は、生きていく上で直面するどうしようもない苦しさ、やりきれなさなどをしっかりとらえた上で、それでも優しく世界を信じ、前向きに生きていく姿を描いている所が大好きなのですが、今回のお話でもそれを強く感じました。
自分の意思で背負ったのではない運命に翻弄される、その望まない運命というのが「希望」という一見前向きな物であるという点で、とても考えさせられました。
私も一大人として、作中のように震災などの大変な状況の中で生まれてきてくれた新たな命に対して、「希望の子」だと感じてしまうかもしれない。
でも、それは本人には関係ないことですもんね。人を苦しめるのが、後ろ向きな感情ばかりであるとは限らない。
そうして周りからの勝手な「希望」を抱かれた子供達が、もがきながら生きていく姿に、私も心をうたれ心が震えました。
お話としては、『ウィンドミルでキドニーパイを』が大好きです。
それから、最後の短編『汽水域』の結び方も。笑いあう二人の顔が、キラキラした情景が私の頭の中にもはっきりと浮かんで、その美しさに涙が出そうになりました。
一穂ミチさんはお話の構成やテーマも大好きなのですが、話の結びの文章の美しさにいつも感動します。読後の余韻がたまりません。
このお話を新刊発売のリアルタイムで読むことができ、幸せです。




