
ミヤウヂ ヨウ
@kameupaupa
2026年11月2日
妄想銀行
星新一
読み終わった
今月最初の読了書は、先月から読み始めた星新一の『妄想銀行』です。
やっぱり星新一はいいですね。淡々と進むお話が、オチのゾクっとする恐怖をさらに煽ります。
何がすごいって人間心理を冷静に描いているので、オチや世界観の中に支配的要素であったり、現実なら賛否分かれるような方法だったりがあっても「この登場人物のしたことなら/平和を維持するためなら、まぁそれも仕方ないか」と思わせてしまう不思議な力があるんですよね。いやいやいや、と本当なら思い踏みとどまらなければならないんですが。
個人的に印象に残ったのは「変な客」、「陰謀団ミダス」、「声」です。
「とんでもない奴」とタイトルにもなった「妄想銀行」は、星新一なりの現代社会への皮肉が込められているように感じました。星新一の場合、批判ではなく皮肉なんですよね。いくら批判をしようとも、結局は現代社会の構造の上で踊り続けなければならない、口で言うだけで踊り続けることを本気でやめる人はいないという皮肉を感じます。「意味がわかると怖い話」的な物語としての面白さを兼ね備えているのはもちろんのこと、その皮肉がかえってウッと痛いところを突かれているような気持ちになってしまうんですよね。
今年で生誕100周年ということで、できれば今年中に星新一のショートショート全1001編を読んでみたいなぁと思っているのですが、さすがに今年中は難しいですね。没後30年の来年中には読み切りたいと思います。
