CandidE "方丈記" 2025年4月8日

CandidE
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@araxia
2025年4月8日
方丈記
方丈記
蜂飼耳,
鴨長明
諸行無常。何度読んでも味わい深く美しい古典。いつの時代どの環境に生まれようと、この世を自らが老いるまで生き抜いた人間の普遍が刻まれている。 「そのとき心更にこたふる事なし」ーーあはれ。オールタイムベスト。 今回、心に引っ掛かったのは、以下、 ーーーーーー  夫、三界は、只心ひとつなり。心、若やすからずは、象馬七珍もよしなく、宮殿楼閣ものぞみなし。今さびしき住まひ、ひとまのいほり、みづからこれを愛す。おのづから都に出でて身の乞となれる事を恥づといへども、帰りてこゝにをる時は他の俗塵に馳する事をあはれむ。 ーー  世界というものは、心の持ち方一つで変わる。もし、心が安らかな状態でないなら、象や馬や七つの宝があっても、なんの意味もないし、立派な宮殿や楼閣があっても、希望はない。いま、私は寂しい住まい、この一間だけの庵にいるけれど、自分ではここを気に入っている。都に出かけることがあって、そんなときは自分が落ちぶれたと恥じるとはいえ、帰宅し、ほっとして落ち着くと、他人が俗塵の中を走り回っていることが気の毒になる。
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