
Wi-HEi
@Wi-HEi
2025年4月16日

ポトスライムの舟 (講談社文庫)
津村記久子
読み終わった
「生きていること自体に吐き気がしてくる。時間を売って得た金で、食べ物や電気やガスなどのエネルギーを細々と買い、なんとか生き長らえているという自分の生の頼りなさに。それを続けなければいけないということに」
響いた。すごく好きな作品になった。
現代で生きる。この時、『生』という漢字を使うのが相応しいか、自分の中で疑問になってきた。
我々は生きているのではなく、社会で『活きる』オブジェクトでしかないのでは? そんなオブジェクトが細々とエネルギーを買って、生命を持続させる意味は??
ポトスライムは耐陰性の観葉植物らしい。つまり、光がなくとも、光合成でエネルギーを作り出さなくとも、生きていけるということだ。
現代人もこれに当てはまるような気がする。エネルギーを自ら作り出せず、細々と他者から買いながら、じっと陰の中で暮らし続けている。






