
ありむら
@arimuuu0211
2025年4月17日

青い眼がほしい
トニ・モリスン,
大社淑子
読み終わった
愛を求めた黒人の少女に待ち受ける悲劇までの軌跡を語る。
悲劇にスポットライトを当てるのではなく、その周辺の事象、加害者の生い立ちも描かれていく。
単に黒人の差別を取り上げるのではなく、黒人の中でも序列は存在し、優位性を保つために暴力は使われ、序列の高い者への擦り寄りも行われる。
傷つけられたプライドの、その矛先の1番終わりのところにピコーラはいたのだろう。
彼女に手を差し伸べようとするクローディア姉妹ですら、それは偽善の行為に見えた。そう、自分の魂を美しくするための行為。
素晴らしい文章がとにかく多く、視点の切り替え、語り手法の変更が頻繁にあるにも関わらず、すっと胸に入ってきたり、ドキッとさせられたりすることが多々あった。
「秘密にしていたけれど、一九四一年の秋、マリーゴールドはぜんぜん咲かなかった」








