最寄りの書店は昔ながらの町の小さな本屋という感じで、どの駅からも遠く、薄暗く、棚にもべつに魅力がない。親から継いだ店だが最近はずっと惰性でやってていつ店を畳むかってことばかり考えている、と店主のひとは言ってた。去年の秋ごろ、わたしが無職で暇だったので予約がてらだらだら立ち話をした時に聞いた。 この店の今のありように魅力は感じないが、かといって嫌悪の気持ちもないし、町の書店という業態全体への応援、地元のお店応援の気持ちから新刊予約をたまにしにいってる。小さい書店経由で予約してる人間がいるよ、という数字になりに行ってるのかもしれない。 e-honとかに加入するのはどうですか？とも聞いたが、新しく何かを導入すること全体に消極的だった。いまは電話予約を受け付けなくなったので店頭のみらしい。予約だけして雑誌を取りに来ない客に相当うんざりしてた。いつもどおりちいちゃい付箋紙に「もじモジ探偵団 文字バンザイ編」「若草同盟2」とわたしの電話番号が書きこまれた。