パラドックス
@reading321
ファシズムを実体験する大学の授業についての本
自分より上位の権威に身を委ねることで全能感を感じ、それによって敵とみなした存在への攻撃を躊躇わなくなる。人間が常日頃から抑圧してきた鬱屈とした感情を解放することが、ファシズムの魅力であり危険性であると記している。
社会的な繋がりが弱まり、人々が生きづらさを抱えるこの現代。複雑化した社会への反動から、断定的で一面的な意見が注目を集めたり、敵を設定して正義感をもって徹底的に叩いたりする動きがあり、ファシズムへの種が撒かれているように感じる。本書では補論として自粛警察の例を挙げ、ファシズムが過去の遺物では無いことを示している。