
いっちー
@icchii317
2025年4月22日

汚穢のリズム
奥田太郎,
酒井朋子
借りてきた
じゅうぶん読んだ
返した
つまみ読みだけど、面白かった。一つ一つの章書きは想像以上に短くてラフに読める。結構あっけなく終わることもあってびっくりしたけど。
私がこの本を知ったきっかけになったメルマガで紹介されてた豚についての章も面白かった。何より豚と人間を「分けない」ということをいとも簡単にやってのけるその人がすごい。
あとは死との境界について考える章で、セミファイナルを例にあげてたのも面白かった。セミが死にそうな状態を、こんなふうに捉えられるのか…と。
(以下引用)
「「いままさに死にかけている蝉」であろうが「ついさっき死んだばかりの蟬」であろうが、境界線上で死体らしきものに接触しつつあるときに惹き起こされる、無意識的だが強烈な忌避感によって、私は不安定な宙吊り状態になっているのだ。死穢に触れる恐怖とはまさにこのことだが、死体であるとの確証が得られないことで、極度の疑心暗鬼を生じている。」
あとはゴキブリについての章も示唆深かった。「すてきな古民家」で暮らし始めたらめっちゃ虫やネズミがいて、ムカデとかネズミはいまだに慣れない、みたいな話。そんな中でゴキブリと出会った時に、前はめっちゃ嫌いだったのに「ふーん」と思った話。単に慣れの基準が引き上がっただけかと思ったけど、そうでもなくて面白かった。
(以下引用)
ゴキブリをみてふーん、とそれを見逃すと私はどこかで、獲物を鋭く知覚して活動しはじめるクモや、それに類する存在を想定している。そして、その存在者がボスのように君臨できるのは、おそらくいまだ私が克服できていない、ねずみやムカデといった「外部」がその先にあるからなのだ
