
川
@river1216
2025年4月26日

読み終わった
物体としての書物に敬意を払い仕える人の言葉があり、本当の意味での"仕事"の話だった。
当時の文芸スターたちとのエピソードや、純粋で少女的なのにエスプリが効いた文体に、60〜70年代が匂い立ってきてくらくらした。(おもしろい女に囲まれる室生犀星...いいな...)ひさしぶりにこういうの読んでたのしかった。
白井晟一の書籍を担当していたのは驚いたけど、分野は違えど細部への愛情のかけ方がそっくりだ。
「ルリユールをする人のグループが生まれても、『意味のある一歩』などにはたぶんならないだろう。それは、本づくりの本道からはずれた、偏屈なはみ出し者の集団となる。ついでに、一本ずつ活字を拾ってヒモで縛らなければ仕事をしている気がしないという、昔ふうの印刷者を一人仲間に入れて、高価で珍奇な一点制作本を生産し、物好きなお金持をスポンサーに持つことにしようか。」(P.102)
