
とーど
@toutoutoudo
2025年4月29日

葬儀を終えて〔新訳版〕
アガサ・クリスティー,
加賀山卓朗
読み終わった
ポアロシリーズ読破計画の8冊目。海外小説を読む時あるある、「お前だれや 〜名前に馴染みないからおぼえられないよ〜」が今回も起こった。ポアロシリーズ読んでていつも思うのが外国人の名前に馴染みがないから紹介された人とその名前が覚えきれなくててできた人がわからずに折り返しを確認する作業が起こる。スーザンという名前をやっと覚えたと思ったら、ミセスバンクスと書かれてあれバンクスってスーザンの旦那だよなとか思ったらミセスだからスーザンのことかとわかって混乱混乱。
で、このバンクス夫妻ですよ、グレゴリーとスーザンですよ。(ここからネタバレあるよ)寡黙な薬剤師で周囲から評価低めなのにスーザンはなんでこんな男性と結婚したんだと評価低め。そこからグレゴリーはどんな人物なのか段々と情報が開示されていく。精神病院に入院していたこと、しかもその理由がカッとなって薬に細工をしてご婦人を殺めそうなったことからくる良心の呵責からノイローゼになって自ら入院という選択したということ。えまって小心者で繊細なのにプライド高くて自分を抑えきれないってこと…?ちょっと待ってくれ癖に刺さりすぎると思ってたらまた別のことがラストで語られる。
ここからは妄想を含んだ解釈になるけども、本来の彼はカッとなっても行動には起こさないで押さえ込む小心者で繊細でこの時代に理想とされる男性像としては生きられない人物だった。だけどスーザンと出会ったことで彼は一角の男性として生まれ変わらせようとグレゴリーの精神に干渉されてしまう。スーザンからの干渉という名の愛を受けた彼は自分を人から見下される存在ではないと思うようになり、精神の均等が取れなくなってしまって、リチャードを殺したのは自分だと思うようになる。
スーザンは本来のグレゴリーから自分の夫として相応しい人物に変えようとしていた。ちょっと待ってくれこの夫婦、癖に刺さりすぎる。
犯人の伏線として人物に二面性が与えられたのかなと思った。スーザンは商才溢れる魅力的な女性の他に夫を洗脳する一面。ロザムンドは見た目だけの頭の足りない女性の他に観察眼があり鋭さと客観的に物事を見れる一面。そして犯人がもつ二面性。
今回はポアロは忍び込みおじさんとなっててあまり行動などはしてなかった印象。ポアロがあっちこっちと移動したりするシーンが好きなのでちょっと残念だった。