
読書猫
@YYG_3
2025年4月29日

Woman
坂元裕二
読み終わった
(本文抜粋)
“「しーちゃんもこれでいいんじゃないの?」
「あの子、ちくわ食べません」
「しーちゃん、好き嫌い多いし、食べられるようになった方がいいんじゃないのかな」
「無理してちくわ食べる理由がないでしょ」
「この間柴田さんの結婚式出た時、隣の人が野菜全部残しててさ、ああいうのみっともないんですよ」
「結婚式にちくわは出ません」
「新郎がちくわメーカーの社員だったら出るよ」
「あの子がいつかちくわメーカーの社員の方のお式に出た時のために今日ちくわを食べさせなきゃいけないの?」
「人生、何に出くわすかわからないでしょ」
「ちくわに出くわすために生きてるわけじゃありません」”
“「ブンを探してください。ブンは犬です。犬の三歳のです。内村さんのおうちの犬です。色は白のところがあります。茶色のところがあります。白のところが多いです。鼻のは黒いです。髭があります。耳が折れています。かわいいのところです。遊ぶのはボールです。走ります。走るとベロが出ます。かわいいのところです。手を舐めます。噛まないです。優しいです。かわいいです。とても探しています。探してください。お願いです」”
“「あのさ、お母さん、アリクイさんが怒ったらどうなるか知ってる?」
「立ち上がって、(ポーズをして)こうなるんでしょ?」
「そうそうそう。望海ね、実はね、立ち上がって、こうしたいぐらい、今怒ってるの」
「(あっと思って)……うん」
「すごく怒ってるの。エジソンが電球壊すぐらい」
「はい」
「ナイチンゲールが患者さん叩くぐらい」
「ライト兄弟も電車で帰っちゃうぐらい?」
「ライト兄弟って何?」
「飛行機作った人」
「へえ……怒ってるの。わかる?」”
