読書日和 "教誨" 2025年5月1日

教誨
教誨
柚月裕子
女性死刑囚の心に迫る犯罪小説 幼女二人を殺害した女性死刑囚の遠縁である吉沢香澄、彼女とその母親が死刑囚三原響子の身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。刑の立会人から「約束は守ったよ、褒めて」という最期の言葉を聞いた香純は、誰と何を約束したのかを調べに北へ向かう。 読み始めてすぐに、以前起きた東北の児童連続殺人事件を思い出した。あれはいったい何年前の事だろう、母親の名前は・・と思いだせることを検索していって時を思い出してきた。時感じた驚き、分からない、という気持ち、加熱するマスコミへの嫌悪感とか、いろいろな感情を分からないから、と放置してきたな、と。とはいえ『わかる』こともできないと思う。分からないのに一方的に善悪を決めつけて断罪してしまったり、弱い立場にいる人を見ないでいたりと、この物語全体が重く救いのない話なのだけど、自分事として振り返ってみたりと、そんな本でした。 重いけど先が気になって、通勤と昼休みと帰ってからと一日で一気読みでした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved