本16 "くますけと一緒に 新装版 (..." 2025年5月7日

本16
本16
@hakusai_467
2025年5月7日
くますけと一緒に 新装版 (中公文庫)
本屋のPOPと表紙のくますけの小さなインパクト、から、完全なる表紙買いをした。 久しぶりに本を読む時間を作ることができたので一気に読破しちゃいました。2時間くらいで読み終わってしまうくらい読みやすい本だった。 以降ネタバレ ジャンルとしてはファンタジー/ホラー。 なんじゃそれと思いながら読んでみて、まぁ確かにそれはあるなと。しかしながらかなり、かなり薄め。 精神的虐待を受けた子ども目線で進む物語。なので文章は口語文。子供らしい文章でも、読みやすく色々工夫がされていたと思う。 虐待していた親が死に、養子になった子どもの敏感さを細かく描かれていた。 優しさですら疑ってしまったり、そもそも自分が信じられなくなってしまうよな…読んでいてかなり辛かった。 夢の中で両親が自分を責めてしまうのも悲しい。 そんな中、自分が信じられるのがぬいぐるみのくますけ。四年生でぬいぐるみを手放せないとなると、確かに異様とみられてしまうのだろうか。 養母の裕子はそんな主人公を認め、決して否定しない。本当に、決して否定しない様子が少しだけ異質なものに思えた。 裕子も主人公と同様に、ぬいぐるみを大切にし、話すことができると思っていた人物の1人だった…だから主人公を否定しなかったんだね。 でもまあ、さすがに両親の死や、いじめの主犯格が事故に遭ったのは偶然…と思いきや、まさかのここは本当にくますけのせい。マジでファンタジーホラーだった。 じゃあ本当に話していたのか…?いやこれは一体…? 最後の最後、裕子のぬいぐるみとくますけの、小さな火花を感じながらの終幕。 ハッピーエンド?という感じだった。 あとがきも面白い。やはりみんな、ぬいぐるみが無条件で自 分を愛してくれている時期があったのかもしれない。自分にもそんなぬいぐるみは確かにあった。 捨てたくなかったぬいぐるみもあった。仕方ないからって理由で捨ててしまったけれど、やっぱり捨てたくなかったなあ。子供にとってぬいぐるみは、自分の拠り所のひとつだよね。 物語としては読みやすく、暗いけれど優しい気持ちになれた。今あるぬいぐるみを大切にしたくなる一冊だった。
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