
haku
@itllme
2024年9月22日

ミトンとふびん (幻冬舎文庫)
吉本ばなな
かつて読んだ
誰にもわかってもらえないと思っていた心の奥底の気持ちをを救われて、新たな旅に出たくなる、そんな一冊だった。
孤独な夜は主人公と共にイタリアに行き、ヘルシンキに行った。
誰にもわかってもらえないとネガティブになってしまった日には主人公たちの言葉に救われた。
誰かの死を乗り越えようと日々を歩む姿は大切な人の誰にも死んでほしくないと思ってしまう私にとって少しだけその悲観的な視線から解いてくれた。
"みんながいなくなっていくことを、もっともっと「自然」と思えるのはきっと私にその順番が近づいてきたとき。"
人間なんてそんなもんだよねって負の感情として抱いていたものがこの一冊には沢山あって、私は少しだけ自分の負の感情を受け入れることができた。
"人の気持ちなんてそんなものだ。真実は頭の中には常にない。真実は流れついた状況の中にだけ存在する"
"どんなに他人と親しくなり、その人のことをわかったつもりになっても、結局その他人とは自分の中に生きているその人にすぎない。その人本人ではない。"
この本は自分のそばに置いておきたい。
そして孤独な夜にまた読み返すと思う。
"幻影と幻影のあいだに、ほのかに温かい空間があって、人と人はそこでしか出会えないのだ。"