柿内正午 "社会秩序とその変化についての..." 2025年5月8日

社会秩序とその変化についての哲学
“では、約束の機能とは何か。一言で、未来へとむけて希望を共有することである。たとえば、「いつか沖縄に行こう」とは、実際に沖縄に行くまで希望を共有しつづけることである。二者はそれを楽しみにしつづけるなどして、部分的にではあれ互いの生きる時間をいわば同調させる。このとき、二者それぞれが約束する前と比べていいぶんか変化する。つまり、沖縄旅行を楽しみにする存在へと変化する。これこそが約束の価値だと考える。仮に約束が忘れられたとしても、約束し、それを楽しみにしていたという事実は残るし、たとえば、「やっぱり北海道にしよう」と約束し直すとしたら、それは一度ならず旅行についての希望を共有することだと捉えられる。人は人と約束し、約束し直し、自分を変化させつつ時間の流れを生きる。”p.58
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