のーとみ "密室黄金時代の殺人 雪の館と..." 2025年5月8日

のーとみ
@notomi
2025年5月8日
密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック (宝島社文庫)
鴨崎暖炉「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」読んだ。タイトルからしてバカミスっぽいし、宝島社のこのミス大賞から出てるし、読まなくていいだろうと思ってたけど、信頼する友人が面白いと言ってたので、それは読んだ方がいいかもと思ってたところに、kndleのアンリミに来てたので、読んでみたのだった。で、これが面白かったw まあ、バカミスといえばバカミスなのかも知れないけど、特殊設定本格ミステリの変形と思えば、結構、ちゃんと本格ミステリだし、一種のメタフィクション的な構造を当たり前に普通の小説の中で使ってるのも面白かった。このアホみたいな設定を、ちゃんと魅力的な謎として読ませて、徹底的に機械的トリックだけで密室を作っては壊すという勇気あふれるスタイルには、なんか感動してしまった。ちゃんと密室講義やったり、ノックスの十戒を捻った形で使ったりと、ミステリ初心者に向けた配慮も素晴らしい。もうちょい文章が上手ければとは思ったけど、説明なんかを手際よくまとめてるし、一般的な文章は十分に上手いのだ。小説家として未熟というだけで、たいした瑕ではない。 しかし、密室黄金時代っていう無茶な設定を強引に通して、読者がそれに納得しちゃえば、もはや密室の方が殺人より重要な要素になってる状況が不自然でなくなるというアイディアは凄いわw 実際、読んでると、その世界設定ありきの物語が面白くなっちゃうのだ。主人公というか探偵の女性の方の設定が見事に見えてくるしw 相方の男の子の描写がふわふわしてるのは気になるし、幼馴染の女の子を何故出した?とか、おかしな点は結構あるのだけど、トリックの物量と、軽快に進む展開で楽しく読み終えてしまった。メイントリックは、どこかで読んだことあるような気がするし、小林信彦の神野推理みたいな感じになっていくのかもという期待と不安もあるけど、シリーズの他のも読んでみようと思ってしまったw
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