読む時々読まない "ヒトリシズカ" 2025年5月14日

ヒトリシズカ
ヒトリシズカ
誉田哲也
連作形式で描かれる事件の数々が、一本の筋でつながっていく構成に引き込まれた。異なる立場の人物の視点から物語が進むため、最初は点在していた出来事が徐々に収束し、ひとつの人物の存在感が浮かび上がる過程がとても鮮やかだった。 読み終えて残るのは爽快感ではなく、むしろ得体の知れない余韻と重さである。人間の暗い部分を直視させられるような作品であり、同時に小説の持つ力を改めて実感させられた。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved