
蛍
@bcgcco
2023年5月15日

コンビニ人間
村田沙耶香
読み終わった
小説や映画を見ていて、「普通」のハッピーエンドを無意識のうちに望んでいる気がする。
普通であることで安心し、いい気持ちになれる。それは共感しやすいと言うことでもあると思う。
このコンビニ人間=恵子は、コンビニの店員であることこそが人生であるとラストで気づく。
アルバイトで一生を終えることは、一般的にみてアウトだ。なぜって、安定した経済力が見込めず、社会的な保証もほとんど受けられないから。
でも、一方でそんな普通の人々を支える存在としてコンビニがあり、そこで働く人々に救われている。恵子がそれでいいと心底思っているのに、何を反論できるだろう。
なんとなくヤバそうな人に対する外野からの反応は、私がとる反応に近いだろうし、恵子的な人に寄り添える気はしない。型にはまった生き方以外、多様性として認められないのだろうか?普通とは?色々と考えさせてくれる一作だった。
