"ショージ君の青春記 (198..." 2023年1月10日

蛍
@bcgcco
2023年1月10日
ショージ君の青春記 (1980年) (文春文庫)
古本市でも見つからず、Amazonなどでも売っていなかった本がやっとAmazonのマーケットプレイスに出品されていたので購入。 中年になってから書かれたものなので、前半はいつもの東海林さん節の学生エッセイだが、後半に進むにつれて苦しみやどうしようもなさがひしひしと伝わってきて辛くなってくる。 その後随筆家兼漫画家として活躍されている状況を見るとどこかで上向くことはわかっているものの、学生時代が悲惨でハラハラしてしまう。 特にラストの「漫画行商人」はうるっとさえさせられる。 そうだよな、新しい何かを始めるって、認められるのって、これだけ辛く苦しいものなんだよな、と共感しつつ、過去の話とは思えないくらい鮮明な描写に唸る。 解説も秀逸。青春ってこういうものか、たしかに、そうかもしれない。
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