
蛍
@bcgcco
内田洋子さん、東海林さだおさん、平松洋子さん、池波正太郎さん、今村夏子さん、アガサクリスティあたりが好きですが、ビジネス書や新書なども読みます。
- 2026年2月16日
複数の時計アガサ・クリスティー,橋本福夫読み終わった仕事を依頼されたタイピストが依頼先の邸宅に訪れると、部屋には男の死体が! その男は住人ではなく、当の主人は男を赤の他人だと言い、しかもタイピストを依頼した覚えがないと言う。そして、殺された部屋には見覚えのない複数の時計が… と、怒涛の展開にのっけからものすごく引き込まれる。1章から5章あたりまでが短く構成されていて、斜め上から飛び込む謎にあっという間にあっちの世界へ連れていかれる。クリスティ作品の中でも随一の出だしでは。 ポアロが脇役に徹しているのも面白い。ちらっとしか出てこないのに存在感があるのがポアロらしく、爽快感があった。 - 2026年1月27日
とんこつQ&A今村夏子読み終わったまた何を読まされているんだという今村ワールド。いやこれが読みたかった。 タイトルのとんこつQ&A、自分の居場所、存在意義を他人をコントロールしてまでつくり上げる主人公とそれを許容する店側の連中(ここも程よく狂っている)と、恐らく自己を破壊されてしまった第三者の登場人物、ずっとうっすら怖いのにどこか笑える。 不出来な自分を棚に上げて他者にやさしくできない主人公にメッセージ性を持たせてみたりしたが、そういうことじゃないんだよな。今村さんの話ってそういう次元にない物語でだからこそ読みたくなるんだよな。 「良夫婦」もよかった。主人公が自分は最低な人間だと分かっていながら生活を送るうちその意識が薄れ”普通の人間”であると錯覚してしまっていたという描写がある。あの感覚には既視感があって、過去の苦い思い出、自分が起こした浅はかな行為がじわじわと思い出される。今村さんの作品が好きな人は、私含め自身に残る蓋をしていたかった出来事が露わになるからではないか。 「冷たい大根の煮物」は、自炊のたのしさを教えてくれたことと1万円とは比べ物にならないけど、1万円という金額よりもやはりそういう人であったのかというショックの方が重要になったのかもしれない。人との関わりがほとんどないであろう主人公にそういった感情が芽生えたこと自体喜ばしいことではないか、救いのある話を最後に持ってきてくれて感謝。 - 2026年1月21日
愛蔵版 国宝 下 花道篇吉田修一読み終わった - 2026年1月21日
愛蔵版 国宝 上 青春篇吉田修一読み終わった話題の国宝を読む。人情モノのベタな展開なんだけどそれがいい、歌舞伎の演目に絡めた展開になるほど、と思いつつも歌舞伎に明るくなく、素人が読むには消化できていない箇所がいくつかあった、残念。歌舞伎に詳しくなってからもう一度読み直してみたい。 いずれにせよ吉沢亮ではないよなと思った。 - 2026年1月9日
ラフカディオ・ハーン河島弘美読み終わったばけばけの影響で読む。 ドラマで描かれる人物像はかなりフィクション寄りだと思っていたので、かなりの日本好きだったハーンの半生が知れて嬉し驚きだった。 一番印象に残ったのは、ハーンとセツの関係性で、最後まで片言の日本語を話していたハーンを、言葉が無くとも理解し思っていたセツさんの愛の深さに心打たれた。 - 2025年12月18日
- 2025年11月26日
問うとはどういうことか梶谷真司読み終わった普段から立ち止まって考える、改めて目的を問うてみる、ということが足りていないのではないかと思っていたので購入。 具体的なワークも紹介されていて、哲学畑の方の作品ながら読みやすく理解しやすかった。 どういった問いの種類が存在し、それぞれどういう視点、考え方が必要なのかを丁寧にまとめてくれている。おそらく今後迷った時都度手に取って参照すると思う。 - 2025年11月11日
オリーヴ・キタリッジの生活エリザベス・ストラウト,小川高義読み終わったタイトル通り、オリーヴ・キタリッジをめぐる短編集。主人公になったり端役になったり、回想にだけ登場したり、あらゆる人物からオリーヴが描かれる。このオリーヴが何か痛快な解決策をもたらしてくれるとか金言を授けてくれるみたいなのとは全くなく、むしろ厄介者なオリーヴが年老いて行く様をさまざまな角度から見て行く。不思議と回を追うごとにオリーヴが好きになり、その悲しみや不器用さ、ひとまとめにすると人間臭さがなんとも切ない。驚くのは心理描写で、アメリカ作品にも関わらず、感情の起伏が日本人としても共感でき、しかも言語化がとても上手い。意識したことなかったけど、そう言うことってあるよな、と何度か文章を反芻した。言い回しも綺麗で、舞台となった架空の街が想像の中で美しく浮かび上がった。 - 2025年10月30日
ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス栗田シメイ読み終わった面白い! マンションを過剰管理する管理組合を打倒しようと、クーデターを起こす住民たち。 驚くのは、クーデター以前、30年間も悪政に甘んじていたことだ。こんな理不尽が通るのか! いかにして理事を引き摺り下ろすか、両サイドの戦いに読んでいる手が止まらない。あっという間に読んでしまった。 後書きでも触れられているが、私利私欲ではない無償の献身は、どんな場面でも胸を打つ。 気になってたけど、買ってよかった。 - 2025年10月30日
一心同体だった山内マリコ読み終わった選んだ孤独はよい孤独と同じく主人公がバトン形式で入れ替わっていくスタイルの短編集。各年代のモチーフがふんだんに入ってノスタルジーを感じられる場面もあるが、たまに鼻につくときも。多くの女性を登場させることで逆に女性共通のコンプレックスを浮き彫りにしているのはよかった。次はもう少し一人を掘り下げた作品を読みたいな。 - 2025年10月21日
選んだ孤独はよい孤独山内マリコ読み終わった山内マリコさん初読み。短編のレベルが認識と違っていてあらゆる設定の話が詰め込まれていた。これをもっと引き延ばしてくれたらいいのに、というものもあって、少し物足りない印象。 でも長編を読むのがたのしみになった。 - 2025年10月7日
死との約束アガサ・クリスティー,高橋豊読み終わった「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という衝撃の一言から始まり、疑わしい人物が次々と登場する中、なかなか姿を表さないポアロ。 遂に起こった殺人に、犯人探しが始まるが、証拠は一つもなく、殺人の立証は難しいように思われた。そんな中やっと登場したポアロが、灰色の脳細胞を使いお得意の推理ゲームを始める…という話。これだ!と思わせる、クリスティの良さが詰まった名著。 24時間以内に犯人を見つけると静かに宣言するポアロ、制限付きの展開も珍しくて良い。 解決ショーもポアロ節が存分に発揮されていて読んでいて気持ちがいい。人が人を想う気持ちをうまくトリックに取り入れ、このあたりも舌を巻いた。 - 2025年9月5日
- 2025年8月21日
ポトスライムの舟津村記久子読み終わった世界一周分のお金を貯めて、自由とはこんなにあっけなく手に入るものなのかと拍子抜け、安堵したのではないか。これからはいつだってあのポスターの世界へ行く選択肢がある、という意識が、ナガセを自由にさせたのでは。 親しい誰かを思うこと、心配すること、励ますこと、辛くも代え難い日々の営みを得た主人公の爽やかなラストが素晴らしかった。時間を空けて再読したい。 - 2025年8月4日
あまからカルテット柚木麻子読み終わったBUTTERからの流れで購入。 BUTTERより乙女色が濃い、ハードボイルドの対極はこんな感じだろうか。 どちらも強すぎると読んでいて疲れてくる。 とはいうものの、ところどころに光る女性特有の悪意や羨望、黒い感情はさすが。 - 2025年6月17日
ストーナージョン・ウィリアムズ,東江一紀読み終わったストーナーの人生における、些細な愛と抵抗の日々。大きな起承転結はないけれど、愛してくれた両親の思いや、ストーナーを信じてくれる友の言葉、娘との代え難い日々など、何度も何度もぐっときた。 日々に潜む不穏さにストーナーの幸せを願わずにはいられないが、湧き上がる気概で自身の人生を切り拓いていく様子は非常に励まされた。 人生の中にある、数えるほどの美しい瞬間を、こうも綺麗に文章で表現できるかと驚かされた、評判通り、美しい小説だった。 - 2025年6月6日
消滅世界村田沙耶香読み終わった読んでみると地球星人やコンビニ人間、信仰ともつながる思想を感じた。 気になったのは、やたらと性欲を制限する、無くすことにこだわっているが、性欲がなくなれば愛の形は変容するのか? 夫婦同士のセックスが近親相姦と呼ばれる世界、夫婦の間に性欲という汚く無価値な存在(と作中されている)を持ち込むのは良くないことだとすることには、少し疑問を感じた。 愛あるセックスはファンタジーで、夫婦こそ定期的にセックスすべきとする風潮は、男性原理の中で植え付けられた価値観なのか? どうも、愛というものを心底理解した上でつくられた物語とは思い難かった。 ただ、性欲を他所へ締め出すことによって、恋人、夫婦の関係が格段に希薄になってしまうだろうという感想を持ったのは、自分でも面白かった。たったそれだけでいくつもの衝突や和解、共感が失われてしまう気がした。これも洗脳による勘違いだろうか。 - 2025年6月3日
地球星人村田沙耶香読み終わった人類におけるタブーを犯しまくるポハピピンポボピア星人の怒涛の展開に後半ついていくのがやっとだった。(本当についていけたのかは謎) 主人公の望む「洗脳」は、つまり愛を知ること、わかりあうことだったのではないか? それを得られなかった子どもが地球星人と一線を画し、ユートピアを作る。 タブーとされている行為は人と人とのつながりを前提に考えられたものなわけだから、そのつながりを持たないポハピピンポボピア星人がその対極となる合理性を優先した行為に出てしまったのも、そういうことなのでは。 - 2025年5月30日
パジャマあるよと言われても大久保佳代子読み終わった12年というとんでもない長い期間を書いたエッセイ。大久保さんファンならそれだけで買うべき。 内容は今の大久保さんと変わらず、ただただ笑えるポップでセクシーな内容。 普段色んなジャンルの本を読むが、こういう何も考えずたのしめる一冊がとても有り難かったりする。 私が好きなのは、パコ美ちゃんを飼い始めた「ウンチまで愛せるかしら、佳代子、これは修行なの。」。 東海林さだおさんの丸かじりシリーズくらい笑った。素晴らしい。 - 2025年5月27日
一次元の挿し木松下龍之介読み終わったこのミス文庫グランプリとのことで、普段受賞作を追いかけてるわけではないけど、あらすじが気になったので購入。 (あのあらすじで気にならない人いるのか?) 帯にも書かれているけど、文章がうまい!作家志望でもないのに一発目でこれを書ける凄み。 ただ、これはすごい!名作だ!という位の感動はなかったかな。台詞回しがキザっぽいところもあり、好みは分かれそう。 ちなみにご本人はこのミス大賞を狙っていたからがっかりしたらしい、それ含めてすごい。
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