
にくみ
@2k3k2
2025年5月22日

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ文庫NF)
オリヴァー・サックス
読み終わった
ずっと読みたくて積読になっていた本。読み始めると止まらなかった。脳障害によりさまざまな不便な現象に見舞われる患者たち。その苦悩と時には類稀な才能が綴られている。これを読むと、幸福感とは結局のところ己に与えられた状況をどう捉えるか、どう乗りこなすか、ということにかかっているのだと実感させられる。なんの障害もなく恵まれているように見える人間も本人が置かれた状況に満足できなければ不幸になるし、障害を持っていても自分にできることを楽しもうという心があれば幸福になれる。もちろんそのためには障害の有無に関わらず手を差し伸べてくれる人や社会が必要ではあるため、もっと厳密に言えば本人の意識と他人及び社会のサポート両方が手を取り合うことで実現できる幸福、となるだろう。
