
隙間
@sukima_
2025年5月23日

杉森くんを殺すには
おさつ,
長谷川 まりる
読み終わった
@ 自宅
これはあたたかな心の再生の物語であり、あらゆる可能性と方法の中から一部取り上げたケアに関する指南書のような印象を受けた。
そこからは強い切実性が感じられる。
身近な人が自死を選択してしまった場合の向き合い方、受け止め方、自身の心の守り方、乗り越え方などが主人公の周囲を巻き込みながら描かれている。
わたし自身双方の立場/当事者の経験があり、共感や感情移入する場面が非常に多く気持ちが板挟みに合い涙なしには読めなかった。
特に主人公が罪の意識から「杉森くんを殺す」他なかったことや、救済を求める代償/引き換えとして自罰的な立ち振る舞い/言動を繰り返すシーンは痛々しくていたたまれなかった。
頼る/頼られるにしてもたった一つの依存先ではなく、たくさんの隣人を作る/作っておくことが大切なのだと改めて思い知らされた。
一時的に雨風が凌げる止まり木のような存在にわたしはなりたい。
