犬川 "増補新版 韓国文学の中心にあ..." 2025年5月24日

犬川
犬川
@hmbllue
2025年5月24日
増補新版 韓国文学の中心にあるもの
よく作品に出てくるチョンセやアジア通貨危機、聖水大橋の崩落、過剰な不動産バブルなどについてはなんとなく知ってはいたものの、はっきりとした詳細は掴めないままだった。本書ではわかりやすく理知的に書かれており、その知識を得たうえでこれまで読んできたたくさんの作品を読み返したくなった。民間人同士の虐殺が何度か繰り返された韓国の現代史は痛みと傷の歴史なのかもしれなくて、そこで生まれた痛みや傷、流れた血、虐げられた人々がたしかに存在したことを認め、治癒をするように、もう繰り返されることのないよう物語を生み出す。傷を直視しながら紡がれる文学はほとんど祈りだと思う。
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