ず。 "神さまのビオトープ" 2025年6月2日

ず。
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@azm0205
2025年6月2日
神さまのビオトープ
「幸せの形は人それぞれ」──そうまとめられてしまえばそれまでかもしれないけれど、私がこの本を読んで心を掴まれたのは、もっと別の温度でした。 誰かの“常識”に合わせようとしない人たち。周囲から見れば奇妙で孤立していても、当人同士のなかではちゃんと愛が通っている。亡くなった恋人にごはんを作り続ける人も、静かに暮らしていたと思っていた隣人夫婦の異質な結びつきも、誰にも説明しなくていい関係性として描かれていた。 それは「幸せ」というより、もっと強くて静かな「愛」だったと思う。 外の評価や環境に流されず、自分たちの内側だけで大切にしているもの。そういうものを持って生きられる人は、きっと他人の「普通」から遠くても、自分のままで強い。 この物語に登場する人たちの“生き方”が、そのまま私にとっての読書の意味を問い直してくれる。言葉にしきれない感情を、こんなふうに、誰かの物語の中で思い出させてくれるから、本を読むのだと思う。
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