冷やしトマト "17歳のサリーダ" 2025年5月28日

17歳のサリーダ
17歳のサリーダ
実石沙枝子
皆どこか傷を負っている。しんどくても, 人生は終わってくれない。しぶとく生きていくしかないのだ。17歳の新菜は暗い夜の世界で, フラメンコに出逢う。コンパスに導かれて, 朝を迎えにいく物語。読後は自らのリズムを掴みたいと勇気をもらえる一冊。
冷やしトマト
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@tomato_hiehie
登場人物は様々な背景を持つ。実は誰しも人に言えない, 複雑で後ろめたい黒い影を持っている。読み手も自分と重なる部分があるかもしれない。それを抱えながらどう生きていくかを考える。過去を過去にするために, 今日も人々は足掻いていく。まだ間に合う。まだ何にだってなれる。
冷やしトマト
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@tomato_hiehie
決して明るいだけの話ではない。それでも快活に感じるのは, フラメンコの弾むようなリズムや, 色鮮やかなドレスが舞う描写があるからかもしれない。世界にリズムがあふれていて, 私だけが取り残されている。そう感じる人には特にお勧めできる。はぐれ者に幸あれ。
冷やしトマト
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@tomato_hiehie
爽やかな装丁とは裏腹に, 受難者の資格を失った社会不適合者の話でもある。当然, その要素を全面的に押し出すことはできないけど, それで救われる層もいるはず。社会はひとつのコミュニティで形成されているわけではない。違う場所で返り咲く権利は誰にだってあり, その結果として過去を乗り越えることだってある。
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