
橋本吉央
@yoshichiha
2025年5月29日
これはゆがんだ食レポです
永田カビ
読み終わった
摂食障害で、過食嘔吐の症状がずっとある永田カビさんのコミックエッセイ。
読み始めた時は正直「吐く前提で食べることを楽しそう(に見えるよう)に描くのってどうなのか、食べ物がもったいない、どうにかならないのか」という規範観念がまだ自分の中にあった。
が、最後の方で、著者永田さんがかつて「食べる資格がないのに食べているという罪悪感だけがある状態」だったところから、友人が食事を楽しんでいる姿を見て「食べることを楽しんでいいんだ」と気づき、それ以降、「吐いてしまうことは治らないけれど、食べることは楽しむ」というスタンスになれたという話が。
自分が思った「もったいない、どうにかならないのか」は、とっくの昔に当事者の永田さんが散々思って苦しめられてきたことなのだな、ということに気づいた。
自分の行動を自分の意思でコントロールできるという幻想が未だ自分の中にあり、バイアスとして振りまいてしまう恐れは常にあるなと、反省。
自分の意思でどうにもならないこととどうにか付き合いながら、他者と関わり合って生きていくことには、一面からだけでは捉えられないことがたくさんある。何度でも思い出していかないといけないなあ。
ちなみに、食レポそのものは、美味しそうというよりは大変そうという感じ。でも、食べ物に執着できるということは、幸せなことなのだと思う。

