

橋本吉央
@yoshichiha
福島県に住んでおります。アラフォーです。アラフォーかあ。
本はまあまあ読むのですがプラクティカルなものばかりで、最近はもっと文学・哲学に触れたいなという気持ちです。
シェア型本屋の棚主もやっております。
- 2026年5月24日
人文知は武器になる山口周,深井龍之介読み終わったコテンラジオで深井さんの話をよく聞いているので、内容としてはそこから大きく外れるものではなかった。ただ、AIの時代に人間にとって何が大事になるのかという問いに対して、「関係性を選び取り、意思を持ち続けること」という言葉が非常に印象に残った。 「人文知は武器になる」というタイトルだけを見ると、人文知をどうビジネスに活用するかを理論立てて語る本のようにも思える。でも実際には、細かな方法論というより、人文知が人にとって、そして現代社会にとって大事なのだと宣言する本だったように感じた。法律で言えば、理念法のような本。 AIによって「正解を出す」ことの価値が相対的に下がっていくなら、人間に残るのは、おもしろい問いを立てること、やりたいと願うこと、やりきろうとすることなのかもしれない。発想と責任、と言ってもいい。 そしてAIの予測に従うだけではなく、不確実な未来の中で「自分たちはこういう関係性でありたい」と決めること。その矛盾を引き受けることが、経営やリーダーシップの重要な役割になるのだと感じた。 フロンティアがなくなる時代には、単なる拡大ではなく、分け合いや調整の倫理が重要になるという話も刺さった。開拓と調整。その両方をどう扱うかは、社会だけでなく、個人の内面にも通じるテーマだと思う。 - 2026年5月18日
これは水ですデヴィット・フォスター・ウォレス読み終わったファスト&スローで言えば、スローな頭の使い方、自分を俯瞰してそれでいいのかと考え続ける、問い続けることが大事なのだということを一貫して言っているのかなと思った。あまり、新しさはないけれども。 わかるなと思いつつ、西洋哲学的な理性信仰のような感じもあるとは思った。 - 2026年5月17日
AIは私たちの学び方をどう変えるのかサルマン・カーン,稲垣みどり読み終わった2026年5月時点では新鮮さはあまり感じなかった。教育・学習へのAI活用はすでに「やれること」として広く認識されており、2年前に読んでいれば刺激的だったと思う。原著執筆から翻訳出版(2025年半ば)へのタイムラグが大きく、それが新鮮さのなさの主因。AIに懐疑的な教育現場の人への入門書・説得材料としての価値はあるかもしれない。 - 2026年5月16日
ナラティヴと共同性野口裕二読み終わった価値や問題、病、あるいは能力といったものは、関係性の中に浮かび上がってくる、立ち上がってくるものであるというのが社会構成主義の考え方だが、その時に、例えば精神疾患のような慢性疾患をどのように見ていくか。そういった人の病、その人の問題として長く捉えられていたものをどう関係性の中に位置付けて考えるのかということを話している。 社会構成主義的な考え方では、まあナラティブアプローチなどもそれに該当するけれど、物語として自分のこれまでとこれからを捉えて、その物語を新しいものにしていくことで、回復に向かうみたいなことが言われていた。 しかし、それは結局のところ、そういった営みを個人ができるかどうかということに収束してしまう。それをギデンズの親密性とか、再帰的プロジェクトとしての自己みたいな概念も引いてきて説明している。 そうではなくて、オープンダイアローグのように、問題の当事者と思われている人だけではなく、関係している人みんなが対話をして、関係性の中にある問題について話していくことで、新しい共同性が作られる。それが関係性を良い形に回復させていく、そういう一連の流れを語っていた。面白かった。 AIと一緒に深掘りしがいのある本であった。 - 2026年5月10日
すてきなひとりぼっち谷川俊太郎読み終わった - 2026年5月7日
その島のひとたちは、ひとの話をきかない森川すいめい読み終わった自殺希少地域を扱っている本で、統計的な話とか定量調査的な傾向に言及があるのかなと思ったが、そこは別の方の研究に簡単に触れるくらいだった。その研究を踏まえて、著者の森川すいめいさんが実際にその地域を歩いて何を感じたかを本当に一人称で語っている。 なので、客観的でエビデンスを感じるというよりは、あくまで筆者の主観による。けれども、精神科医としてのご本人の経験もあって、感覚的、直感的に「こういうところが大事なんだろうな」というのはよく伝わる。 「お互いに助け合う」ということは言葉で言うとかなりざっくりしてしまうけれど、そのあり方はいろんなレイヤーがあり、軽いけれどしっかりつながる、そういうつながり方が自殺希少地域にはあるのだろうと思った。 それから自分としては、都市部ではなく地方での人のあり方にやっぱり興味関心がある。過疎化が進んでも地方には人が残るわけで。そのときにその地域をいかに過ごしやすい場所にできるかという観点で、自殺希少地域の人々のあり方をよく見る価値があるのかもしれないとも思った。 - 2026年5月3日
- 2026年4月20日
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?ジェリー・Z・ミュラー読み終わった面白かった。指標管理は組織の営みに意味を持つが、それが業績評価や個々人の評価、報酬と結びついていくと一気に歪みうる。 - 2026年4月12日
図解即戦力 情報セキュリティの技術と対策がこれ1冊でしっかりわかる教科書中村行宏、若尾靖和、林静香読み終わった - 2026年4月9日
- 2026年4月9日
LIFE和合亮一読み終わった綺麗に終わるかと思ったら、インデントが下がって、ちょっとずらしたような、不穏なような空気を出して終わるような詩がけっこうあって、そういうスタイルなのかなと思ったがちょっと受け取りづらい感じではあった。 チャッピー曰く、単純に完結して余韻を残すのではなく、どことなく終わらない感じ、疑いのようなものを残すスタイルなのだそう。なるほどな。他の詩集も読んでみようかな。 - 2026年4月2日
AIにはない「思考力」の身につけ方今井むつみ読み終わった言語習得のプロセスの説明から入って、人間の推論の仕組みについて解説するという流れであった。わかりやすいが、それよりはもう少し「なにが人間独自で、AIとは異なるのか」ということの議論がなされるとよかったかなと思う。 AIが膨大な情報アーカイブを組み合わせて帰納的に推論しているのに比べて、人間のアブダクション推論や、経験・身体知からくる直観はそれとは異なるのだ、ということだと思うが、今井先生がAIの専門家ではないから、「AIではこう」という部分までは踏み込んでおらず、もう少し深い議論が知りたいなという感じ。きっとこれから世界でたくさんの議論が起こっていく分野であろう。 - 2026年4月2日
アジア・トイレ紀行内藤寛子,山田七絵読み終わった全体として、アジアより、中東やイスラム圏のほうが、水で洗い流すことが宗教的なしきたりとなっていて清潔な感じがあった。遊牧生活であり、一箇所に糞尿をまとめておくという慣習があまりなかったことも影響しているのかなと思う。 いっぽうでアジアは、人間の糞尿を豚のエサにしたり肥料にしたりということがいまも農村部ではずっと続いているのだなと思った。日本は国土が狭いから、田舎でもトイレは綺麗、あるいは肥料として活用する習慣はなくなっていると思うが、中国や東南アジアではまだそういう地域が残っているということなのだろう。 糞尿を肥料として自然の循環の中に入れていくというのは、まさに生態系として自然な営みだったのだろうなと思う。いまそうでないことを、自分個人としては嬉しいと言うか、それがいいなと思うけれども、文明化が自然のサイクルを壊したといえる部分でもあるということかな。 熊谷聡さんの「トイレと便所の違い」の持論は非常に読み応えのある名エッセイだった。こういう文章好きだし、書けるようになりたい気持ちがある。 - 2026年3月31日
新規事業の実践論麻生要一読み終わったとてもわかりやすい、新規事業の立ち上げ方についての解説本だった。 本人のやりたい気持ちは、顧客の課題が見える現場にいくことと、新規事業が起こっている現場をみることの2つの経験を重ねることで育てることができる。最初はWillが明確になくても大丈夫である、というのは、サラリーマンとして新規事業に取り組む人にとってもよい示唆なのではないか。 顧客のところに300回行け、というのはシンボリックなフレーズだが、それくらいユーザーのニーズを拾い続けることが大事、その過程でどんどん事業は変質していく。仮説検証のフェーズだけでなく、リリースした後でも、事業がピボットしていくのは全然ある。 顧客の声をどのように聞くか、というヒアリングのHowまでは書かれていなかった。そこまったらよかった。 - 2026年3月30日
AIに選ばれ、ファンに愛される。佐藤尚之読み終わったAIがプロダクトやブランドの情報を取得しやすいように、構造化されたサイト、情報公開のあり方が重要であるというのは、ファンベースの前にけっこう大事なことの気がする。 ファンを大事にすることで熱量の高いレビュー等がネット上に増えて、それがAIにレコメンドされる可能性を高める、というもの。よく考えるとこれはAI前の検索エンジンでもまあそれほど本質は変わらない。 ずらっと並んだ検索情報からゆっくり探す、というUXではなく、AIが選んだ数種類からしか選ばれなくなる、という厳しい前提がやはりあるので、本書の具体的なHowに限らず、アフターAIをよくよく考えないといけないだろうなと思う。 - 2026年3月24日
読み終わったとてもおもしろかった。転移という現象をとおして、ユーザー(クライエント)がカウンセラーを自分の人生の「問題の対象」と重ね合わせるということをとおして冒険のカウンセリングが進む、そのプロセスを、純粋に職業人としてのカウンセラーとして相対するだけではなくカウンセラー自身も冒険に巻き込まれていくような、そういう部分がすごいというか、真似できない感覚だった。まあ、そのように読み取ったが実際はそこまでカウンセラー側もプロセスに同化していないのかもしれないが。 でもとにかく、言ってみれば弁護士相談のように問題が完全に自分たちの外側にあるのではない、ユーザーの中、あるいはカウンセラーとの関係性の中で立ち現れてくる、とういう「関係性ありき」のところは非常に興味深いし自分の関心分野とも近い気がする。 カウンセリングの前提となる「心をどのように捉えているか」ということも非常によく体系だって整理されており、わかりやすかったし理解が深まった。 - 2026年3月14日
- 2026年3月7日
HARD THINGSベン・ホロウィッツ,小澤隆生,滑川海彦,滑川海彦、高橋信夫,滑川海彦、高橋信夫=TechCrunch Japan翻訳チーム読み終わった前に読んだときは、途中で読むのをやめてしまって、その理由は覚えていないのだけれど、改めて読んだらふむふむと読めたところもあった。数字と客観性というよりは、確固たる個人の経験からということだが、言葉に力がある感じだった。 ITベンチャー的な組織体を前提としているところはあるので、自分たちにそのまま適用できるかはわからないなと思ったけれども、ここぞというときの気合を入れる言葉として良いかなと思った。 - 2026年2月26日
- 2026年2月25日
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