

橋本吉央
@yoshichiha
福島県に住んでおります。アラフォーです。アラフォーかあ。
本はまあまあ読むのですがプラクティカルなものばかりで、最近はもっと文学・哲学に触れたいなという気持ちです。
シェア型本屋の棚主もやっております。
- 2026年7月6日
会話を哲学する三木那由他読み終わったコミュニケーションとは、お互いの中に何らかの約束事をもたらすものである、という考え方はわかりやすかったと思う。だから、言葉尻や、言葉の表面的な意味が持つ辞書的な(シニフィアンとシニフィエ的な)意味が、コミュニケーションにおいてお互いの中でどのように頭の中に期待と約束として残るのかというのは、本当に単純な文字面だけで決まるものではない。 そもそもよく考えてみれば、人類はこれだけ言葉を流暢に操るけれども、そう進化する前もコミュニケーションは散々していたのだと思う。他の動物だってそうで、言葉がないとコミュニケーションができないわけではないとも言える。 それから、マニピュレーションの考え方。これも同じで、言葉の字義的な意味では人を傷つけたり、人に何かをさせたりすることが必ずしも認められないようなケースにおいても、言葉が発されるシチュエーションや関係性、力関係によって、その発話やコミュニケーションが相手にどういった行動を暗黙のうちに強要するのか、という観点がある。 そしてそれは、リテラルな発話の意味とマニピュレーションのレイヤーにおいて、発話者の意図が矛盾したり、一致していないようなこともあり、それをもって発話者が「自分はマニピュレートしようとはしていない」と主張するようなこともある。 そういう構造をよく理解しつつ、自分がコミュニケーションやマニピュレーションにおいて、不均衡な力関係や相手を傷つけるようなやり方をしないようにすること、そういうマニピュレーションをしようとする人には注意することが、やっぱり大事だなと思った。 ただ、「雑談が苦手だと思っている人におすすめ」という意味で役に立ったかというと、あんまりそういう感じではないかもしれない。ここに、自分に対するコミュニケーション不全があったのであった。 - 2026年7月6日
- 2026年6月27日
実践Claude Code入門ー現場で活用するためのAIコーディングの思考法吉田真吾,大嶋勇樹,西見公宏読み終わった結局、Claude Codeを使って開発すると一言で言ったときに、どれぐらいの規模のこと、どれぐらい業務に影響力が大きいことをやるかということに収束するのかなという気がする。データの扱いや他のシステムとの結合度合いが密になってしまうと、影響も大きいわけだが、疎結合で独立した業務をツール化してやるということであれば、それほど大々的にがっつり開発管理しなくてもいいようなものも、多分結構あるんじゃないかと思う。 この本のやり方を全部やるというよりは、もう少しポイントを抽出して、小さい規模の開発にも生かすという考え方が大事な気がする。 - 2026年6月26日
- 2026年6月23日
- 2026年6月21日
ケアを学ぶ人のために熊谷晋一郎,西村ユミ読み終わった啓蒙思想後の、資本主義と経済ドリブンの現代において「人間は他者から独立して思考し、行動し、責任を負いつつ社会にアウトプット(特に、経済的なもの)を出していくべきである」という価値観が社会規範として強い、あるいは社会の共通認識はそうだよね、という暗黙の了解があるけれども、本書は全体を通して、そこに一つ一つ異を唱えるような視点が「ケア」という文脈から丁寧に語られていたなと思う。 自分としては「関係性」というのが最近のキーワードなのだけれど、ここでもやはり、他者から独立した存在として自立していくという近現代的な自己像ではなく、関係性の中で人は生きてきて、生きていくのだということに自分的には立ち戻る感覚があった。 ギリガンの話とか、Claudeと色々壁打ちする中ではブルデューの思想もおすすめだということだったので、ちょっとそちらにも手を伸ばしてみたい気持ち。 - 2026年6月20日
マンガでやさしくわかる知識創造ユニバーサル・パブリシング,藤沢涼生,西原(廣瀬)文乃読み終わったナレッジ・マネジメントと、ナレッジ・ベースド・マネジメントという概念が分かれているということは大事だなと思った。なんのためにナレッジ=参照しやすい体系化された知識と組織経験を残すか。それはそこからイノベーションを起こしていくためである、と。 今のAI時代においては、AIに読ませやすい、ということが重視され、それは確かにそうなのだけれど、当然だがそれだけではだめ。 一方で、イメージしていたナレッジマネジメントとはちょっと違いもある。何を、「体系化され、整理され、アクセスしやすい、組織マネジメントとイノベーションのために有用な情報」として選び、どのように保存し、活用するか。そこはもう少しHowの部分を他の本など参照して考えたいなと思う。 ナレッジマネジメント=モノとしてのナレッジ、ナレッジベースドマネジメント=コトとしてのナレッジ、前者は後者の土台、みたいに感じていたけど、どちらかというと、「前者は後者に内包される」のだな。 そして、モノとしてのナレッジマネジメントを一定程度やってからじゃないと、ナレッジベースドマネジメントができない、という考え方は危ういというか、頭でっかちになるリスクがある。 - 2026年6月16日
- 2026年6月1日
NPOとは何か宮垣元読み終わった1995年の阪神淡路大震災でのボランティア活動が「ボランティア元年」としてNPO法の制定等へつながっていった、という大きな流れなどしっかり書いてあって、リファレンスとして良さそう。 - 2026年5月30日
メタスキル:努力の価値が変わる時代の「AI×自分」戦略けんすう(古川健介),尾原和啓,深津貴之読み終わった都市的資本主義の中でサバイブしていく、みたいな前提(それはテーマと著者的に妥当だと思うけど)を結構強く感じて、「メタスキルを身につけよう」という気持ちにはあまりならなかった。 でも、本書をきっかけに「AIが本格的に普及した世界で、人間は何をするのか」という問いはふつふつと生まれて、考えるきっかけとして良かった。 読んでおぼろげに形が見えてきた自分なりのイメージとしては、AIが進めば進むほど、人間が「自分の意思で何かをやること」そのものに価値が移っていくのではないか、ということ。楽器を弾く、スポーツをする、誰かのために何かをする。 それが今のように経済合理性や評価と直結する形ではなくなるかもしれない(今も直結はしないが、今よりもっとしなくなるのかなと思う)。でも、「何をしたいか」という意思を持ち続けること自体が、AIにはできないこととして残り続けるのではなかろうか。 もう一つ気になったのは、人間にとっての「フィードバック」の話。人が人の役に立ちたい、人から何らかの反応を得たいという本能は、AIがどれだけ普及しても消えないのではないか。そのフィードバックを得る形が変わっていく移行期には苦しみが生まれるが、本能自体はなくならない。 「AI時代にどう生き残るか」の答えを探している人には「メタスキル」というテーマが響くのかもしれないが、むしろ自分はそういう課題感を持っているわけでもなかったのかも。生き残れると思っているというわけじゃないんだけど、そもそもあんまりそういうゲームを生きねばならんって言われるのもな・・・みたいな感じかな。 それはともかく、「AI時代にどういい感じに生きるか」という問いを考えるきっかけとしては、とてもおもしろかった。 - 2026年5月30日
石垣りん詩集 表札石垣りん読み終わった最初の方の詩は、狭い家に家族がぎゅうぎゅうに肩を寄せ合って暮らしている情景から始まる。それを美談として描くのではなくて、「受け入れながら生きていくしかない」という、人間のどうしようもなさをそのままに書いている感じがリアル。身体の不自由な父への心のわだかまりも、父が悪いのではなく、自分もいずれそうなっていくのかもしれないという諦観みたいなものが染み出ている。生々しいが、そのどうしようもなさにどことなく共感する。 「弔詞」という詩がすごく刺さった。 死者の記憶が遠ざかるとき、 同じ速度で、死は私たちに近づく。 戦争の記憶が遠ざかるとき、 戦争がまた 私たちに近づく。 そうでなければ良い。 今この時代に読むと、なおさら。 「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」も良かった。女性が家事を担い続けてきた歴史を、否定するのでも美化するのでもなく、その営みへの愛情を大切にしながら、それでも社会に出ていく意味を書いている。 - 2026年5月24日
人文知は武器になる山口周,深井龍之介読み終わったコテンラジオで深井さんの話をよく聞いているので、内容としてはそこから大きく外れるものではなかった。ただ、AIの時代に人間にとって何が大事になるのかという問いに対して、「関係性を選び取り、意思を持ち続けること」という言葉が非常に印象に残った。 「人文知は武器になる」というタイトルだけを見ると、人文知をどうビジネスに活用するかを理論立てて語る本のようにも思える。でも実際には、細かな方法論というより、人文知が人にとって、そして現代社会にとって大事なのだと宣言する本だったように感じた。法律で言えば、理念法のような本。 AIによって「正解を出す」ことの価値が相対的に下がっていくなら、人間に残るのは、おもしろい問いを立てること、やりたいと願うこと、やりきろうとすることなのかもしれない。発想と責任、と言ってもいい。 そしてAIの予測に従うだけではなく、不確実な未来の中で「自分たちはこういう関係性でありたい」と決めること。その矛盾を引き受けることが、経営やリーダーシップの重要な役割になるのだと感じた。 フロンティアがなくなる時代には、単なる拡大ではなく、分け合いや調整の倫理が重要になるという話も刺さった。開拓と調整。その両方をどう扱うかは、社会だけでなく、個人の内面にも通じるテーマだと思う。 - 2026年5月18日
これは水ですデヴィット・フォスター・ウォレス読み終わったファスト&スローで言えば、スローな頭の使い方、自分を俯瞰してそれでいいのかと考え続ける、問い続けることが大事なのだということを一貫して言っているのかなと思った。あまり、新しさはないけれども。 わかるなと思いつつ、西洋哲学的な理性信仰のような感じもあるとは思った。 - 2026年5月17日
AIは私たちの学び方をどう変えるのかサルマン・カーン,稲垣みどり読み終わった2026年5月時点では新鮮さはあまり感じなかった。教育・学習へのAI活用はすでに「やれること」として広く認識されており、2年前に読んでいれば刺激的だったと思う。原著執筆から翻訳出版(2025年半ば)へのタイムラグが大きく、それが新鮮さのなさの主因。AIに懐疑的な教育現場の人への入門書・説得材料としての価値はあるかもしれない。 - 2026年5月16日
ナラティヴと共同性野口裕二読み終わった価値や問題、病、あるいは能力といったものは、関係性の中に浮かび上がってくる、立ち上がってくるものであるというのが社会構成主義の考え方だが、その時に、例えば精神疾患のような慢性疾患をどのように見ていくか。そういった人の病、その人の問題として長く捉えられていたものをどう関係性の中に位置付けて考えるのかということを話している。 社会構成主義的な考え方では、まあナラティブアプローチなどもそれに該当するけれど、物語として自分のこれまでとこれからを捉えて、その物語を新しいものにしていくことで、回復に向かうみたいなことが言われていた。 しかし、それは結局のところ、そういった営みを個人ができるかどうかということに収束してしまう。それをギデンズの親密性とか、再帰的プロジェクトとしての自己みたいな概念も引いてきて説明している。 そうではなくて、オープンダイアローグのように、問題の当事者と思われている人だけではなく、関係している人みんなが対話をして、関係性の中にある問題について話していくことで、新しい共同性が作られる。それが関係性を良い形に回復させていく、そういう一連の流れを語っていた。面白かった。 AIと一緒に深掘りしがいのある本であった。 - 2026年5月10日
すてきなひとりぼっち谷川俊太郎読み終わった - 2026年5月7日
その島のひとたちは、ひとの話をきかない森川すいめい読み終わった自殺希少地域を扱っている本で、統計的な話とか定量調査的な傾向に言及があるのかなと思ったが、そこは別の方の研究に簡単に触れるくらいだった。その研究を踏まえて、著者の森川すいめいさんが実際にその地域を歩いて何を感じたかを本当に一人称で語っている。 なので、客観的でエビデンスを感じるというよりは、あくまで筆者の主観による。けれども、精神科医としてのご本人の経験もあって、感覚的、直感的に「こういうところが大事なんだろうな」というのはよく伝わる。 「お互いに助け合う」ということは言葉で言うとかなりざっくりしてしまうけれど、そのあり方はいろんなレイヤーがあり、軽いけれどしっかりつながる、そういうつながり方が自殺希少地域にはあるのだろうと思った。 それから自分としては、都市部ではなく地方での人のあり方にやっぱり興味関心がある。過疎化が進んでも地方には人が残るわけで。そのときにその地域をいかに過ごしやすい場所にできるかという観点で、自殺希少地域の人々のあり方をよく見る価値があるのかもしれないとも思った。 - 2026年5月3日
- 2026年4月20日
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?ジェリー・Z・ミュラー読み終わった面白かった。指標管理は組織の営みに意味を持つが、それが業績評価や個々人の評価、報酬と結びついていくと一気に歪みうる。 - 2026年4月12日
図解即戦力 情報セキュリティの技術と対策がこれ1冊でしっかりわかる教科書中村行宏、若尾靖和、林静香読み終わった
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