
doji
@doji_asgp
2025年5月31日

読み終わった
計算機の発達により個別解が容易に導き出されることで多様性が担保される一方で、全体主義が進んでいく。そのとき国や政治や統治のあり方はどうなんだろうと想像しながらも、そもそもその考え方自体が人間中心であって、機械と人間のハイブリットのあり方が成立した社会では、また別のルールが生まれるのかもしれない。主体も社会も捉え直される中、ベーシックインカムとベンチャーキャピタルに二分される労働のあり方についてはたしか東浩紀さんが批判していたと思うので、『訂正可能性の哲学』を再読しなくちゃなと思いつつ、デジタルネイチャーが進んだ社会における人間の幸福ってなんだろうなと想像した。ベーシックインカムによってシステムに組み込まれながら生きる道と、著者のように多動の中で思想とアートを提示する道、そしてそれと交わったり交わらなかったりしながら、それこそこれまでの自然と同様にただそこにあるものとしてある計算機の存在。知的興奮のある本だったけれど、もっと実感を伴って理解するためにいろんな側面から検証してみたくなった。

