
けい子
@rinkonohaha
2025年5月31日

買ってからしばらく積んでたけど良い感じのタイミングに読了‼️
表紙の魔女に惹かれて買ったけど魔女(的なもの)は出てきません。1989年の本。
1960〜70年代、カウンターカルチャーの波の一端としてアメリカでは性革命が大きく進んだ。他の欧米諸国と比較して圧倒的に保守的だったアメリカがダイナミックに変化したのは「逆転したピューリタニズム」ゆえではないか、と筆者は考える。
性の現実に対し真っ向から取り組もうとする精神があるからこそ、一方では「歪み」を矯正しようと抑圧を強め、一方では同じ強さで反発するのでは、と。
そういった筆者の観点のもと描かれた1950年代末〜80年代にかけての(文化、政治、法律、社会を取り巻く)「ポルノ現象」にまつわるエッセイで、マフィアのしのぎとしてのポルノや性風俗とかそういう観点は抜けてるので、多少偏ってはいるのだけど、性革命に至る前史などもとても面白くて読みやすくて3時間くらいで一気に読めてしまった。
自分的に興味深かったのは、80年代に入り性革命への反動が出始めた時代の記述。このへん89年に出たこの本だとわりとリアルタイムなんだけど、エイズの影響、「反ポルノ」の為に(ラディカル)フェミニストと保守派が結託してしまったりしてしまう混乱とか、モラルマジョリティの反撃の時代の項目とか。
(映画パンフにもあったけど)ポルノ映画館のもぎりの女が主人公のベット・ゴードンの『ヴァラエティ』(83)ってそういう時代が舞台なんだな、とか6月に楽しみにしてる『マキシーン』の時代背景とかかなり参考になったなって感じ。

