
タナカ
@tnk
2025年6月4日

宝石商リチャード氏の謎鑑定 転生のタンザナイト
辻村七子,
雪広うたこ
読み始めた
@ 自宅
0604 13:20追記
「麗しのスピネル」
半ば演技として求められたものとしても、リチャードの読点多めな正義褒めは、かなり心にキュンと来るものがあった…。でも中田正義本人は、ここで発された言葉の重みや凄さの半分もわかっていなさそうなところが腹立たしくもあり、いじらしくもあり。読者としてはそのままの君でいてほしい気もするけど、長らく耐え忍んでいるリチャードのためにもそろそろ鈍ちんは卒業準備に入っても良いのでは?と思わなくもない。
そしてまた正義は、リチャードの目の前でも、彼の知らぬところでもリチャードとの関係に関する勘違いのタネを振り撒きまくっていて、そういったシーンが大好きな僕は大満足なエピソードなのでした。
まず2人の感想になってしまいがちだけど、板垣さんと北条さんの関係性もこれまでの2人の積み重ねたやりとりがじんわり見えてくる描写で好きだったな。スピネルという宝石の第一印象を、丁寧に紐解いて別角度からの解釈を加えて、この石を選んだ人の想いを贈られた人に改めて届けてあげるリチャードの見事な仕事ぶり。何度でもまた見たい。
0609 10:07追記
パライバの感想書きたいけど、もだもだした気持ちを持て余して先に読み進めちゃったんですが、表題作「転生のタンザナイト」、中田正義の最大の危機なのでは…と怖々ページを巡っている…。このシリーズは読者の願望や期待を裏切らないから良き形に落ち着くのだろうとは思うけど、どういう手段をとれば丸く事を収められるのかわからない相手すぎないですか…?これをリチャードが素敵に解決してくれるのだとして、そしたらそのときの正義がどうなってしまうのか…が期待もあるけどどっちかっていうと怖いかも。悪い意味で彼の芯にあったものが、大きく変容する出来事になるのだと思うので…。