
かめりあ
@cameria_7
2025年6月4日

涅槃の雪
西條奈加
読み終わった
感想
天保の改革によって人生が狂わされたり、生活が一変してしまった人々の話。(という言い方が正しいのか分からないけど)
町奉行所の役人たちや市井の人々の暮らしが描かれており、個人的には年表の上の出来事でしかなかった改革が解像度を上げ、当時の人々の息遣いまで感じられた気がする。
立場が変われば価値観も変わる。同じ出来事でも真反対の見方になる。どちらが良い、悪いはない。
今立っている場所で、何が一番重要だと思うかの違いでしかない。
全体を通してこの改革を批判的に描きながら、最後は水野忠邦が改革を断行せざるを得なかった理由についても触れ、肯定的に締めくくったのも、そういうことなんだと思う。


