
雨
@little_rain
2025年6月9日

仙台ぐらし
伊坂幸太郎
読み終わった
ある作家の、作業場代わりのカフェと家の往復の中で起こる少し変わった出来事の記録。
心配性と言いながらどこか気の抜けたような語り口が続いたあと、2009年にとある災害への心配に話が及んだ。あの日の前の、東北に住む人々がぼんやりと抱いていたであろう、いつかは来る、まだ輪郭の無い災禍への不安と希望的観測に心がくしゃくしゃになって一旦本を閉じた。
そこから先は祈るように読んだ。2010年、2011年そして2011年4月のエッセイ。
それからの自身については多くを語らず、街の見えない傷の記憶は巻末の短編に託されているように見えた。


