
ユメ
@yumeticmode
2025年6月5日
炉辺荘のアン
ルーシー・モード・モンゴメリ,
村岡花子
読み終わった
感想
再読
アンとギルバートの子どもたちの愛くるしさに何度も頬が緩む巻。
幼さ特有の突拍子もない思いつきをする子どもや、アンのようにいくつになっても心の若々しさを失わないひと、そしてメアリー・マライアおばさんのように偏屈で意地悪なひとまで、モンゴメリの筆は様々な年代の人々を巧みに描き出し、その人物観察眼の鋭さに何度も唸らされる。
私が今回アンシリーズを再読するきっかけとなったのは、氷室冴子さんの『マイ・ディア 親愛なる物語』というエッセイなのだが、その中でも本書でアンがクリスチンに嫉妬するくだりが紹介されていた。想像力豊かな少女と、時に苦い感情を秘めている大人の女性、どちらも生き生きと書いてくれるのがモンゴメリの魅力のひとつだと思う。
さて、疲れのあまりにクリスチンに嫉妬こそしたアンだけれど、母親になっても彼女の朗らかな人生哲学はまったく失われていない。
「あら、スーザン、普通の日なんてものはないわよ。どの日もどの日もほかの日にはないものをもっているんですもの」
「おお、スーザン、なんていう世の中でしょう!なんていう美しい、おもしろい、すばらしい世の中でしょう!」
こんな風に、溌剌と人生を謳歌し続けるアンのことが大好きだ。
また、シリーズの読者としては、アンがずっとアヴォンリーの人々との交流を大切にし続けていることにも心が温まる。グリン・ゲイブルスの老婦人二人がいかにアンを慈しんでいるかを考えるとぐっとくるし、アンがダイアナに向けて「あたしたちの友情は昔から美しかったわね」と言うのにも感銘を受けた。




