
朝日出版社
@asahipress
2025年6月12日

知らない人に出会う
キオ・スターク,
向井和美,
武田砂鉄
出版社より
旅先で朝の散歩をしているとき、すれ違う人に自然とあいさつをしたり目礼を交わしたりすることが多い。それなのに、なぜ日常の街中では目も合わせないのだろうか? 「儀礼的無関心」と社会学では言われるようだ。たしかに、相手の素性がわからないのにこちらから接近するのは抵抗を覚える。それでも、著者は「知らない人に話しかけるのはいいことだ」と言い切る。本書を読みながら、いやでもな、実際に行動に移すとなるとな、と何度も思ったが、不思議と心が開けていくのを感じた。他者とのつかの間の交感から、未知の自分にも会えるのではと思ったのだ。想像できるだけで社会の風通しはよくなりうる。

