
akamatie
@matie
2025年6月14日

宙に参る(5巻)
肋骨凹介
読み終わった
5巻が出たので、改めて1巻から読み直した。
SF作品は、時代背景やテクノロジーの説明が冗長になって、物語への没入を妨げることもあるけれど『宙を参る』にはそれがない。
語られる技術や設定は、魔女と呼ばれるプログラマー/工学技術者の主人公と、彼女の息子であるAIロボットとの自然な会話や、将棋AIとのVR空間でのやり取り、同業者との再会といった日常のエピソードの中に、静かにそして矛盾なく溶け込んでいる。
ゆるい生活のリズム、独特なワードセンス、漫画表現の巧みさがぴたりと噛み合っていて、それがどれほどすごいことなのか、読んだ後にふと気づかされる。
リンジン(AIロボット)には魂のようなものが宿っていて、そのやり取りは温かくて心地よい響きがある。
SFとしても、物語としても、深く楽しめる作品。