

akamatie
@matie
- 2026年5月26日
ヤンキーと地元打越正行読み終わった読み終わってしまうのが惜しくて、もっと読みたいと思いながらも一気に読み終えてしまった。 調査研究のために原付で沖縄の暴走族に同行し、ヤンキーを調査するためにパシリとして関係を築いていく導入が面白くてどんどんページを進めてしまった。危険な場所に潜入しているドキドキというよりも、対象の中に入り込んでいく過程そのものに、筆者の人間力と適応力が表れていて、一気に引き込まれた。 印象的だったのは、沖縄の若者たちが抱える苦悩と、抜け出しにくい支配の構造である。それは、沖縄がアメリカ軍基地の存在を常に強いられてきた歴史とも地続きのように感じられた。 登場するのは、学校に馴染めず中退し、暴走族や地元のつながりの中で居場所を見つけていく若者たちだ。先輩からの暴力や理不尽に耐え、それを後輩へと引き継ぐことで連鎖が続いていく。また、支配的な環境に置かれた男性が女性を大切にできない構造については、共同研究者の上間陽子も、暴力や支配の構造が再生産されていくことを指摘している。 アンケートや統計では見えてこない、生の生活や声が丁寧に記されており、グレたからそうなったと単純に切り捨てることのできない痛みや背景が浮かび上がる。同時に、支配される側もまたその関係の中で恩恵を受けているという複雑さや、米軍基地を抱える沖縄における飴と鞭の構造が、人々の生活にも深く根付いていることが感じられた。 東京で育った自分の感覚からすると、小学生の段階で不登校や非行に至ることに驚きもあるが、学校の関わり方が画一的である可能性や、旧来的な教育の影響についても考えさせられた。 本書は2019年の出版であり、調査は2007年から2015年にかけて行われているため、現在の状況はまた変化しているかもしれない。それでもなお、ここで描かれた構造は簡単には消えないもののように思う。 著者が若くして亡くなったことは非常に惜しまれる。2020年に刊行された共著も続けて読んでいきたい。 - 2026年4月23日
なぜ今、仏教なのかロバート・ライト,熊谷淳子読み始めた欧米の方から見た仏教の視点がまどろこしく感じてなかなかすすまず途中で断念。。翻訳された本は、言葉がスルスル入らず苦手なのもあるかも。 テーマはとても興味があるので、同じようなテーマで日本人の方が書いた本を探してみよう。 - 2026年4月18日
裸足で逃げる上間陽子読み終わった沖縄の問題を、単なる貧困や個人の問題ではなく、ジェンダー観や社会構造と結びついたものとして捉えた。 本を読んでの感想に過ぎず、実際のところはわからない部分もあるが、男女それぞれに異なるかたちで生き方の枠が存在しているように感じた。 男子はホモソーシャルな関係の中で同調や強さを求められ、その枠から外れることが難しい。一方で女の子は、家庭に居場所のない場合ほど、性とお金と居場所が結びつき、その居場所自体が搾取の構造になってしまっている。 観光産業が主要な産業の一つである中で、性風俗が比較的身近な存在となっていることも、未成年のうちから性的搾取される構造を強化している側面があるのではないか。限られた選択肢の中で、若年のうちからそうした世界に接続されやすい環境があることは、問題の根深さを示しているように思う。 こうした環境では、男女ともに自由な選択肢が制限されやすく、親密な関係や家庭もまた閉じた空間となり、暴力や支配が生まれやすい土壌があるのではないか。 この問題に対して、民間の支援は非常に重要である一方で、その負担の大きさや持続可能性には限界がある。行政・教育・福祉などの制度的な関与がより強く求められる。 同時に、自分を大切に思えない人を根気強く支え続けるには、支援者個人の資質やエネルギーに大きく依存する側面もあり、その担い手がどれほどいるのかという点に、支援の難しさを感じた。 著者とともにフィールドワークを重ねた打越正行さんの『ヤンキーと地元』も読もうと思う。 - 2026年4月17日
ヤンキーと地元打越正行買った - 2026年4月17日
アンネ・フランクの記憶小川洋子,深町眞理子買った - 2026年4月17日
海をあげる上間陽子買った - 2026年4月17日
なぜ今、仏教なのかロバート・ライト,熊谷淳子読み始めた - 2026年4月17日
裸足で逃げる上間陽子読んでる - 2026年4月9日
菜食主義者きむふな,ハン・ガン読みたい - 2026年4月9日
なぜ今、仏教なのかロバート・ライト,熊谷淳子読みたい - 2026年4月9日
少年が来るハン・ガン,井手俊作読み終わった辛くて読むのやめようかと思ったけど、気になってしまい読了。改めて感想。 少年や女性労働者、男子学生たちの語りによって描かれ、フィクションを含みながらも、まるで生の声を直接聞いているような感覚に引き込まれた。 今ではエンタメの国である韓国で、自分が生まれる数年前に、民主化を望む市民が軍政権によって無惨に殺され、尊厳を奪われた事件があったことに衝撃を受けた。遺体は乱雑に扱われ、生き残った人々も拷問によって心を壊され、女性の尊厳も踏みにじられる。身体的な暴力だけでなく、思想や心までも侵食されていく感覚に強い恐怖を覚えた。 一方で、命の危険があると分かっていても抗い続ける人間の意志の強さと、仲間の死や繰り返される拷問の中で心が壊れてしまう脆さの両方が描かれていた。 残忍さ、強さ、脆さが一つの作品の中に同時に存在していることに、被害者が可哀想で終わらせない作品の深さを感じた。 それにしても、もう二度と読みたくはない。 - 2026年4月6日
- 2026年4月6日
少年が来るハン・ガン,井手俊作読んでる1980年に韓国で起きた光州事件を題材にした小説。 軍隊に捕まり拷問を受けた学生たちがトラウマによって日常生活を送れなくなり、自死を選ぶ場面で強く身体が反応した。息が詰まるような感覚や喉の痛みが出て、しばらく興奮がおさまらなかった。 単なる拷問による残酷さではなく、人を思い通りにするために尊厳を奪っていく構造に体が反応したのだと思う。拷問と虐待は強度や方法は違うけれど、相手を否定し、人権を剥ぎ取り、コントロールするという点でとても似ている。 作品の訴えかける力が強すぎたので、しばらく距離を置くことにする。 - 2026年2月17日
感情労働の未来恩蔵絢子気になる - 2026年2月16日
ギリシャ語の時間ハン・ガン,斎藤真理子読み終わった『別れを告げない』がとても心に響いたので、手に取ったハン・ガンの『ギリシャ語の時間』。 物語は、日常の中にふとよみがえるトラウマのように、登場人物の傷や悲しみ、後悔、喪失を静かに語っていく。その痛みは私が中年だからかどこか同調するものがあり、じわじわと胸に広がっていった。 終盤、傷ついた二人の距離が一気に近づく場面で読む手が止まってしまった。物語が終わってしまうのが寂しくて、そのまま2ヶ月本を寝かせた。そうして温めた一冊をようやく読み始めた時、物語はあまりにも静かにすんっと終わってしまう。それが信じられなくて、最後の三分の一まで戻って読み直してしまった。 ハン・ガンが本作を「生きていくということに対する私の最も明るい答え」と語っていることに深くうなずく。人と触れ合う余裕を失っていた二人が、傷を抱える者同士だからこそ互いに気づき、わずかな優しさを持ち寄る。そんな奇跡のような瞬間がこの作品にはあり、気持ちを明るく照らしてくれる。 言葉で書かれた物語でありながら、二人が交わす言葉は多くない。それでも、沈黙のあいだに確かに存在する労わりとつながりが伝わってくる。だからこそ、一気に読み終えてしまったのだと思う。 高松の書店『ヌガルンガ』で購入したとき、店主さんが「めちゃくちゃおもしろいですよ」と言ってくれて、この人好きだなと思った。そして本当にその言葉通りの一冊だった。素敵な本との出会い。 - 2026年2月16日
読み終わったスピッツの歌詞について、同じ言葉が使われていても、初期と近年ではその意味合いが変わっているのではないか。そんな疑問から読み始めた一冊で、まさに探していた内容だった。 スピッツが生きてきた時代背景、日本という国の繁栄と衰退、ロックにとどまらない欧米文化の影響、さらには同時代の文学作品まで参照しながら楽曲を読み解いていく。単なる歌詞やサウンドの解釈ではなく、メジャーではない音作りを続けながらメジャーバンドになったスピッツを捉え直す、「分裂」という視点が新鮮だった。より深く捉えたくて参考文献も読みたくなる。 印象的だったのは、よくある批評のように対象を距離を置いて分析するのではなく、書き手のスピッツへの愛が溢れていること。冷静な分析でありながら、根底には大好きがある。その熱量が心地よくて、私も好き〜と友達と分かち合えたような余韻があった。 スピッツを聞き直して、改めてその魅力に浸ることができた。ざっと読んでしまったけれど、また開きたくなる。 - 2026年1月16日
うたとかたりの人間学鵜野祐介読み終わった日本の昔話や唄が、単なる物語ではなく、その時代の価値観や生活、語り手の気持ちをふくんだ表現だったのだと知り、とてもおもしろかった。 うたとかたりに関して、いくつか取り扱っていたが、その中でも特に印象的だったのは、手話に関する記述だ。話し言葉以上に繊細で豊かな表現体系を持つ手話が、かつては健常者に合わせて口語のみで語らせられていた時代があった中でも、語り合う文化としてしっかり受け継がれてきたこと。その事実から、語り合うことが人の人生をどれほど豊かにするのかを強く感じた。 また、被災した人たちが自分たちの物語を語り始めたとき、それがグリーフケアとして機能していたという点だ。語りは語り手だけのものではなく、聞き手がリアクションを返すことで、聞き手もまた語っている状態になる。そうした相互作用によって、語りの場そのものが喜びを生む空間になっていく様子は、まるで音楽のライブのようだと感じた。 もう大人ではあるけれど、昔話をただ聞くための場に行ってみたいと思った。語りと聞きが行き交う場づくりにとても興味を持った。 - 2025年12月21日
特捜部Q-檻の中の女ーユッシ・エーズラ・オールスン,吉田奈保子買った - 2025年12月18日
BLANK PAGE 空っぽを満たす旅内田也哉子読み終わった芸能人であり、時代を象徴する両親をもつ稀有な作家が抱える空虚とは何なのだろうと興味をもって手に取った一冊。 著名な人たちとの対談を通して語られる両親のことや寂しさ、空虚さは、有名人の子どもとして生まれた人にしか分からない感覚だと思う部分もあれば、子どもの頃に置き去りにしてきた寂しさのように、多くの人が抱えながらも忘れてしまっている感覚なのではないかと思う部分もあった。 印象的だったのは、養老孟司が40歳を過ぎてようやく、人に別れの挨拶がうまくできない理由が、幼い頃に亡くした父に別れを告げなかったことへの罪悪感にあったと気づいた、という話だ。あれほど聡明で、言葉をもって世界を説明してきた人でさえ、トラウマと向き合うには長い時間が必要なのだと知り、救われる気持ちになった。同時に、両親を失い空虚を抱える人に、そうした言葉を差し出せる老齢の男性がいることにも、希望を感じた。 空虚さはきっと、死ぬまで消えることはないのだろう。それでも、その空虚とともに生きることで、失った人と別のかたちで繋がり続けることはできるのかもしれない。そんな感覚を覚える一冊だった。 - 2025年12月18日
傷を愛せるか 増補新版宮地尚子読み終わった数ヶ月前に手に取ったときは、なぜか先に進めずに読むのをやめていた一冊。 改めて読み直すと、驚くほどするする読めて、あの頃はまだ向き合う準備ができていなかったのかもしれないと思った。 異国の教会や旅先、留学先でふっと訪れる、思考が澄む瞬間が書き留められていて、住み慣れた場所から離れたときに訪れる気づきの感覚に共感した。 時間をおいて読むことで、受け止め方が変わりそう。またしばらくしたら読み返したい。
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