
pamo
@pamo
2025年6月15日

フルトヴェングラーかカラヤンか
ヴェルナー・テーリヒェン
読み終わった
感想
図書館本
おもしろかった!
より名声と功績が大きかったのはカラヤンだが、音楽への姿勢と人間性はフルトヴェングラーの方が良い…。
大天才かつ自己評価がめちゃくちゃ高いカラヤンが、「自分が若い頃に苦労したから」と、若手の優秀な指揮者に早く成功への道をショートカットさせるべくコンクールを主催したけど、自分はほとんど顔を出さない上に、やってみたら「やっぱり若い頃の下積みって大事だったかも…」と思い直すところなんかは人間としての未熟さがありありと現れていて、痛々しくもあり、これこそ歴史の面白さでもあり。
「自分のような天才はもっと早く評価されるべき」という青臭い自己愛だったんだろうなぁ…。
カラヤンのわがままと独裁主義のせいでそれまで家族のように親密だったオーケストラも派閥が分かれてしまい、そこに加えて移動手段の発達によって海外ツアーの移動が短くなって、移動中に団員同士で長々とおしゃべりする時間がなく個人主義な団体になってしまった…という話は興味深かった。
社会のいろんな変化が重なって、組織はどんどん淡白になって個人主義化が進むというのはどんな時代にも言えることだと思う。
