
りなっこ
@rinakko
2025年6月17日

増補 古典としての旧約聖書
月本昭男
読み終わった
旧約聖書を人類の古典とする視点から、果敢に社会を糾弾する預言者の批判精神、多様な書物としてのダイナミズム、排他的民族主義と包括的普遍主義が併存することによる複眼的特色…などが読み解かれる。
そして辺境の弱小民族の間で培われた信仰が、人類の精神史に多大な影響を残したという逆説的現象について。
近年のキリスト教批判(人間中心主義や一神教のもつ暴力性)に対する、批判自体があまりにも杜撰だという指摘にはなるほど…と。物語文学としてのルツ記やヨナ書、ギルガメシュ叙事詩の件も面白かった。


