pinguincafe "あの日の海" 2025年6月16日

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2025年6月16日
あの日の海
あの日の海
染野太朗
最近日曜の夜に眠れないことがある。 朝早くに出勤するようになったので、その分早寝をしたいと思っているのだけれど、日曜の夜はなぜか目が冴える。 昨日ジュンク堂で買った歌集を繰る。 眠くなるまでゆるゆると読もうと思ったのが間違いだった。選書を間違えた。 著者の第一歌集である本書は、元々は別の出版社から2011年に出たものだそうだ。 教員としての生活、妻との暮らし、休職と通院など、日々の断片が歌の形で並ぶ。凄く生々しいのに、それ故のいやらしさを感じないのは、歌が「作品」としての自立しているからなのだと思う。あるいは、乾いた歪さ、抑制のきいた激しさのためか。 虚構と現実の間にある、歌の凄みに絡め取られて読み終えたときには朝になっていた。 ---------- 掌の中に燃ゆるさびしさ 点さんと花火さがせどさがせども闇(花冷え/p87)
あの日の海
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